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私はブログを書くにあたって、いつも妻と相談して内容を決めています。
基本的に私のブログは、個別指導で中学・大学の受験生と関わっている妻が日々の仕事の中で考えたことや感じたことが主な話題だからです。
それなら多くの塾の先生がしているように妻が自分で書けば良いようにも思いますが、妻が日々の業務の中で考えている事柄を、私が聞いて文章にして、妻に読んでもらって、また私が書き直すというプロセスを経ることで客観的に文章が書けるというメリットがあると思っています。
「妻のお客様は」
妻のお客様は一般的には富裕層の方々です。子どもが私立の学校に通っているというご家庭が多いです。我が家の娘が通っている小学校のことを考えても、やはり私立にはお金持ちが多いという印象です。
我が家はそんなご家庭と比べて、生活水準がまるで違います。妻からはことあるごとに「学校に着ていく服がない」と言われます。最近も鞄が欲しいと言われたので、ブランドの鞄の値段を調べて悲しい気持ちになりました。
娘たちの学用品の購入など、ちょっとした急な出費にも困っています。私の給料も妻の給料も毎月右から左で貯蓄に回すゆとりがないため、予定外の出費にはいつも頭を悩ませています。
ファイナンシャル・プランナーに家計診断をしてもらったら、ダメ出しだらけになるでしょう。常に無理して背伸びして暮らしています。
私と妻の老後の資金を考えたり、日々の暮らしの安定を考えたりすれば、子どもを私立に通わせて、習い事をさせてという余裕なんて、本当はありません。
しかし、それでも子どもをなんとかして私立に行かせたいという思いで、どうにかこうにかやっています。そしてそんなご家庭は我が家だけではないはずです。
何故なら、子どもの学歴や習い事で培われる教養は絶対に必要なものだからです。
妻は多くの子どもたちを見ていて、大学受験の大変さも知っています。習い事をしていることで学校での生活がより良くなることも見ています。
「学校に楽しく通うために何が必要か」
子どもが学校に楽しく通うために何が必要かという問題には答えはないのかもしれません。しかし、その1つに「苦手なものを作らない」ことが必ず含まれていると私達夫婦は考えています。
苦手なものに関する授業のある日は楽しくありません。得意でなくても良いと思います。しかし「苦手だ」という意識は確実に学校生活にマイナスに作用します。
私は小学生の頃運動は「苦手」でした。私は小学校二年生から演劇を習っていて、幼少期にスポーツの習い事を一切していませんでした。小3から高1までは太っていました。
中学の時も高校の時も部活を決めるタイミングで運動が嫌いでしたから、地味な文化系の部活に入っていました。
私は若い頃は自分に自信がなく、いつも相手から一歩引いていました。一人っ子であることも影響して、人との距離感をうまく取れないことが結果的に演劇をやる上でも課題になっていました。
子どもの頃に運動に苦手意識を持たず、中学・高校と人並みにスポーツの部活に入っていれば、私の人生は大きく変わったのではないかと今でも思っています。
だから、もし子どもが男の子だったら、私はムキになってスポーツをさせていたでしょう。男の子だから野球かサッカーができないと駄目だと考えたはずです。
しかし、球技が一切できない私がどこまで子どものスポーツに付き合えたか分かりません。休日に子どもと一緒に練習することもできません。きっと今よりももっと惨めな思いをしていたはずです。
娘で良かったと心から思います。泳げて走るのが速くてスタイルが良ければ十分だからです。水泳は妻が一緒にできますし、走ることは私も一緒にできます。
私が今、娘の陸上にムキになって取り組んでいるのは、中学高校と運動部に所属して明るく過ごしてほしいと願っているからです。
「本当は得意なものを増やしてあげたいけど」
本当はできる限り「得意なこと」を増やしてあげたいのですが、我が家には色んなことにまんべんなくお金をかけて得意な事柄を増やしてあげられるゆとりはありません。
ピアノは始めたのが遅いですし、絵は習わせられません。しかし、なるべく「苦手」なものがなく成長して欲しいと願っています。
学校には必ず、勉強もできて、ピアノが上手で、絵が上手で、運動が得意な子がいます。妻の生徒にも、集団塾や予備校に通って、国語、数学、英語に個別指導をつけて、ピアノとバレエと水泳を習っている子が何人もいます。
国語にさえ個別をつけているのですから、数学や英語は当然です。
勉強ができて、ピアノが上手で、運動もできて踊れる子がたくさんいます。上を見たらきりがありません。
「庶民が私立に通う心構え」
庶民が私立の学校に通って、裕福な家庭の子たちのいる中で子どもを過ごさせるためには、それ相応の心構えが必要です。
立ち位置をわきまえることと、何でも先回りして準備しておくことです。ですが庶民が私立を受験する場合、逆転現象が起きているように感じます。
本来なら、家の力で劣る庶民家庭の方が、子どもの力を付けるために早くから始める必要があるはずです。
しかし、庶民家庭ほど始めるのが遅くなる傾向があるように思います。更に、掛けてるものが大きい分高望みしがちです。
我が家は早く始めているつもりでした。でも、全然早い方ではありませんでした。
そして、高望みなんかしていないつもりで、実は高望みしていました。
ゆとりのあるご家庭ほど、早い段階から通塾を始めて、ネームバリュー以外の観点から進学する学校を選択しているように感じます。
庶民家庭にとって塾費用は高額なので、できるだけ短期間で済ませたい気持ちは良く分かります。塾に入る前に家庭学習である程度力を付けて、最後の一年は塾に通う。特に小学校受験の場合に多く聞きます。
塾だけに限らず陥りやすい発想です。痩せてからフィットネスジムに通うというのもよく聞く話です。
学習は積み重ねなので、早くから塾やお教室に通っている子を後から追い抜くのは不可能です。
むしろ、普通の家庭こそ早く始めるべきです。何故なら、立派なご家庭の子どもが当たり前に備えている、言葉遣いや礼儀作法などを身に付けさせられる共働き庶民家庭などありません。
お教室に通うから親の意識が改善されて、家庭でも言葉遣いや立ち居振る舞いに気を遣う意識が生まれます。
ところが、裕福な家庭ほど塾代は気にしないため早くから通塾しています。
私立の学費は高額ですから、どうせ行くなら価値のある学校にと考えてしまいがちです。だから庶民家庭ほど、〇〇に行けないなら公立に行くという発想に陥ります。
ところが、裕福な家庭ほど学費など気にしないので、結果を受け入れてご縁のあった学校に通っています。
「勉強で勝ってやる」
庶民家庭ほど「勉強で裕福な家庭の子に勝ってやる」という思いが強いのではないでしょうか?それが結果として志望校の高望みに繋がっているように感じます。
妻が仕事で裕福なご家庭を山程見ていることや、高校でお嬢様学校と呼ばれるような私立の進学校に通ったことが、我が家の教育方針の基礎になっています。
妻は比較的高偏差値の高校に進学したので、中学まで勉強は得意でした。特に英語は得意でした。
しかし、妻の進学先には帰国子女が何人もいて英語では全く太刀打ちできませんでした。中学では「ガリ勉」と言われて惨めな思いをしていました。
高校に入ればみんな同じかと思っていたら、みんな裕福な家庭で当たり前のようにピアノが弾けました。中学の頃は合唱が好きだったそうですが、高校に入ったら同級生が当たり前のように持っている音楽的知識もなく、合唱の自主練をするように言われてもできる訳がありません。合唱は一気に嫌いになりました。
たまたま高校から学び始めたフランス語と、子どもの頃に習っていた水泳が拠り所でした。結局、フランス語と水泳が現在の妻の趣味にもなっています。
子どもの頃の習い事は一生役に立ちます。
だから、私も妻も娘たちの習い事に一生懸命です。
「張り合っても仕方がない」
立派な学校にはとても敵わないような立派なご家庭の子どもが通っているのを知っているから、高みを目指して張り合っても仕方ないと思っています。
立派なご家庭から「滑り止め」と言われるような学校でも、庶民の我が家からすれば高みの学校だと知っています。だから今の学校での生活を大事にできますし、ご縁をいただけたことに感謝できます。
庶民のご家庭が私立の受験を目指すなら「勝ってやる」という気持ちを持たないことです。
裕福な家庭はそれだけ教育にお金も掛けられます。勝つことなんてできません。
勉強以外のことでも同じです。
「通わせていただいている」という感謝の気持ちを持って、「苦手」を作らずに学校生活を送れるよう、環境を整えることに全力を掛ける気持ちが必要なのではないでしょうか。
『志望校を考える上で。どんな子が通っているのか』
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