コスパ最高!?読み聞かせ

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女の子の似顔絵

 先日授業参観がありました。今回は出席番号毎に何時間目の授業を観られるか決まっていて、偶然我が家はどちらの子も「読書」の授業でした。

 読書の時間は図書館の先生が読み聞かせをしてくれます。その後で読んでもらった本の絵を描いたり、お話の中に出てきた魔法のアイテムで自分だったら何をしたいか作文を書いたりする授業で、娘たちは2人とも大好きです。僕も学校説明会に行った際、この授業の一環で描いた生徒たちの作品を観て受験したいと思いました。年長の秋期講習で受講した学校別対策の講習でも、言葉の教育を大切にしている学校だと仰っていました。読書の授業は6年生まで週に1時間設けられています。

 

「読み聞かせはコスパが良い」

 絵本の読み聞かせを熱心に取り組まれている方は多いと思います。読み聞かせは庶民が小学校受験に取り組むに当たって、1番コスパが良いのではないでしょうか。まず費用が掛かりません。図書館で借りれば無料です。我が家は同じ本を何度も繰り返して読むのが良いと考えているので基本的に購入していましたが、本は財産になるので投資しても良いものだと思います。祖父母にクリスマスプレゼントなどで絵本を頼むことも多かったです。絵本の読み聞かせに力を入れていたおかげで、我が家の双子はどちらもお話の記憶が得意でした。これに関しては特に何も対策せずにいつも満点近く取っていたので、絵本の読み聞かせの効果は絶大です。

 

「綺麗な日本語」

 小学校受験はお話の記憶に限らず発問はすべて音声で行われるので、聴く力を養うことが大事です。また、以前の記事に書きましたが、私学を受験する子たちは丁寧に話すのが当たり前です。綺麗な日本語を獲得するためにも読み聞かせは効果があります。作家は一つ一つ言葉を選んで使っています。文章を覚えてしまうくらい絵本を繰り返し読むことで綺麗な言葉が蓄積されていきます。突然娘たちが妙に詩のような言葉で話して驚くことがありますが、よく考えると〇〇の本の〇〇の言葉だと思い当たります。NHKEテレの教育番組でさえ言葉遣いが良くないと感じることがあります。テレビは事前にどんな言葉を使うのかを調べてから観ることはできません。その上刺激が強いので影響されやすいです。その点、本は事前に親が読むことで、綺麗な言葉で書かれた作品を選ぶことができます。

「繰り返し読むこと」

 本は繰り返して読むことができます。繰り返すことは学習の基本です。10冊の本を1回ずつ読むなら、子どもが気に入った本を10回読む方が良いと考えています。繰り返し読むことは敏感期の子どもの繰り返したい欲求を満たして自己肯定感を高めるのにも役立ちますし、言葉の蓄積にも効果があります。親の作品に対する理解も深まっていくため読むのが上手になります。一石三鳥です。

 ただ、子どもが満足するまで繰り返すのはけっこう大変です。同じ本を何度も「もう一回」と要求されて、嫌になってしまったことはありませんか?正直に言って僕は何度もありました。ですが子どもの要求を無視するのはよくありません。 

「もう1回」

という要求を無視してしまうと、子どもは自分が否定されたと感じるそうです。「私が好きなものがお母さんは好きじゃないんだ」と思うからです。「たくさん本を読んでいるのにどうしてうちの子は聴いてくれないのかしら?」と思い当たる場合は、子どもの要求を無視して新しい本を次々読んでいるからかもしれません。同じ時間を使って10回本を読んでいるのに、片や自己肯定感を高めて、片や自己肯定感を下げてしまっているのです。

 共働きのご家庭は子どもが寝る前の時間は戦争のように忙しいですよね。その中で本を読む時間を一生懸命捻出して読んでいらっしゃる方が多いでしょうから、効果の高い読み方をしたいものです。

 親が読みたい本と子どもが聴きたい本は違うかもしれません。張り切って準備した本なのに子どもが聴かない時は、「今じゃなかった」と諦めたほうが良いです。安心して下さい。いずれ喜んで聴いてくれます。その日に子どもが気に入った本を満足するまで読んであげるのが1番良いようです。3回で終わるかもしれませんし、10回かもしれませんが……。

もう一回

「読み聞かせが国語の学力にも影響をあたえる?」

 読み聞かせがその後の学力に影響を与えることは、様々な幼児教育関連の本やブログでも書かれています。現に妻は国語を教える仕事をしていますが、読解力は家庭での本の読み聞かせ次第だと肌で感じているようです。

「読み聞かせは高学年まで」

 妻は生徒の親御さんから「うちの子は本は好きなんです。よく読んでいるのですが、問題になると解けないようで……」という相談をよく寄せられるようです。

 幼稚園の年長くらいになると、子どもは自分で本が読めるようになるでしょう。一生懸命本を読んでいる我が子の姿を見ると感動します。共働きの親はなおさらです。これからは自分で読めるから読み聞かせは必要ないと思うかもしれません。未だに親に読んでもらっている同年代の子どもと比べて優越感にも浸れるでしょう。

 ですが、そう思ってしまうのは危険なようです。本の読み聞かせは小学校の高学年になっても必要だと妻は日頃から言っています。なぜなら子どもは知らない言葉を飛ばして読んでしまうからです。自分で本を読むと親から褒められるので、子どもは得意になって本を読むでしょうが、幼いのですから知らない言葉があって当然です。辞書を引いて意味を調べながら読む幼児はいません。子どもが一人で読むようになったからと、読み聞かせをやめてしまったらそれまで積み重ねた絵本の読み聞かせが無駄になってしまいます。親はまさか自分の子が言葉を飛ばして本を読んでいるとは思いません。気づくのは小学3年生くらいになって塾のテストで点が取れなくなったときで、それから取り返すのは大変だそうです。

 子どもが本をたくさん読んでいるにも関わらず語彙が少ない、読解力がないと感じる場合は、本を読んでいるのではなく字や絵を眺めているだけの可能性が高いかもしれません。そうなることを防ぐために親が読み聞かせをして子どもに音読をさせることが効果的です。声に出せば読み飛ばすことはできません。子どもが読むのを聴けば、意味が分からずに読んでいるのか分かって読んでいるのか気づくことができます。また、読み聞かせをしながら質問を投げかけることで、子どもは本を読んで考える習慣が身につきます。

 娘の学校に限らず、私立の小学校では高学年まで授業の中で読み聞かせをしてくれる学校が多いようです。僕も妻も公立の小学校に通っていましたが、読み聞かせの授業があったという記憶はありません。

本を読む女の子

「音読が上手な子」

 妻が言うには国語が良くできる子は音読が上手だそうです。娘の学校でも音読の課題は毎日あります。みんな自分の音読をi-padで撮影してロイロノート・スクールに投稿しているので、クラスのお友達の音読を視聴することができます。上手な子の音読を聴くとご両親が上手に読み聞かせをしているのだろうと想像できます。親が大きな声で楽しく読み聞かせしていれば、子どもは音読が上手になります。幼少期に親が大きな声で歌を歌えば子どもは歌が上手になるという研究データがあるそうです。とにかく大きな声で楽しく取り組んでいれば、親の歌の上手い下手はあまり関係ないようです。音読でも同じことが言えるのではないでしょうか。

「まとめ」

 読み聞かせは小学校受験だけではなく、その後の学力に大きな影響を与えることは既に研究されていて色んな人が言及しています。文を読む力は国語だけに必要なものではありません。算数も理科も社会も文章を読んで答える問題が増えています。読み解く力がないと、何を聞かれている問題なのか分かりません。読み聞かせは育児の中で当たり前に取り組む事柄です。意識的に取り組むことで効果はどんどん上がるはずです。

 娘たちはまだ発展途上なので、読み聞かせが今後の学力にどのように影響するか僕も妻も楽しみにしています。僕は今でも毎晩読み聞かせを続けています。妻の生徒にも何故か現代文が良くできる子が毎年何人かいるそうです。それが読み聞かせの効果なのかは分かりませんが、きっとそうだと信じています。

 今回はこの辺で。読んで下さってありがとうございました。