私立小学校の「安心」

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 小学校受験のカリスマブロガー「tengenji」さんが、渋谷区の公立小学校のトイレを一般開放する件について書いていらっしゃいました。

「オープンな学校?」

「渋谷区学校施設長寿命化計画」といって、老朽化した学校を一般にも広く開放される施設として作り変える構想のようです。

 学校が広く開放されるようになった時「学校にいれば安心」という信頼が保てるのか私も疑問です。

 教室をオープンスペースにして授業の様子が見えるようにする、体育館を運動施設として開放する、図書室を一般の図書館として開放する、トイレを一般にも使えるようにするなどのプランが書かれていました。

 防犯のために高性能な防犯カメラを設置するようですが、それでは学校がいつでも「見張られている場所」になってしまいます。

 オープンな場所にして監視カメラで見張られていたら、先生の負担も増えるはずです。

 子どもに「自分の身は自分で守れ」とは言えません。そして学校は親の目の届かないところで一日の大半を過ごす場所です。だからこそ保護者は安心を求めています。

 そもそも、他人の子どもの学校の授業の様子を観たい人はいないでしょうし、子どもの声がうるさい図書館を利用したい大人がどれだけいるのでしょう?

 私は地域の図書館で、何度も読み聞かせの声がうるさいと注意を受けました。

 子どもたちは学校にいるにも関わらず、公共の場にいるという体で静かに過ごし、訪れる一般の利用者はみんな子どもに愛を持って見つめると思っているのでしょうかね?

 学校の安全が保てるのは閉塞された場所だからです。

「防犯は信頼関係の上で成り立っている」

 私立小学校のHPやパンフレットを見ると、どこの学校も一番力を入れて取り組んでいるのは防犯です。

 どの学校にも門の前に警備員さんが立っていて、入構証を持っていないと中に入れません。娘の学校も子どもは全員ICタグを持っていて、門を出入りすると親の携帯にメールが届きます。

 学校周辺で不審者の情報があれば直ちに全校メールが配信されます。一度、娘が学校のお友達と数人で下校しているときに、外国人の方から「写真を撮らせてほしい」と言われたことがあって、その時はすぐに担任の先生から電話が掛かってきました。

 妻が言っていましたが、私立小学校の制服を着ていて外国人の方から撮影を求められたという生徒は意外といるそうです。制服を着た子どもは珍しいのでしょうかね?

 まだ幼い娘を持つ父親の立場から言えば、写真を撮られるということはやはり心配ではあります。その時は英語で話しかけられて、写真を撮られただけのようですが。

 受験に取り組んでいた頃、説明会などで学校に行くとどこの学校でも同じように感じたことは安心感です。とりあえず学校にいれば安心という信頼感があることが私立小学校の強みです。

 以前も書きましたが、学校に子どもを通わせるということは、「親」と「学校」と「子ども」の三者の信頼関係の上で成り立っていると思います。

 親は「学校に任せていれば安心」という信頼感を求めていますし、学校も「この親なら学校の方針に従ってくれる」という信頼感を求めていると考えています。

 私立の場合、多くが制服を着ています。私服の私立もバッグや制帽に付いている校章を見ればどこの学校か判ります。子どもは登下校時常に学校の看板を背負って歩いているようなものですから、学校側から見ても信頼できない家庭に通われると困ります。試験を受けてご縁を頂けたということは「学校の看板を背負って歩く許可」を頂いたということです。

 私は三者の信頼関係の有無が、私立と公立の大きな違いだと思っています。学校に対して保護者が安心感を求めるのは、私立も公立も同じでしょう。しかし、公立は保護者に対して信頼を求めることはできません。公立の学校は一方通行です。

 何故なら公立の学校は買い手(保護者)を選べないからです。保護者側も基本的には住んでいる地域にある学校に通うので、選んでいるわけではありません。

 無償で提供される公のサービスなので、両者の間に信頼関係は必要ありません。

 一方私立の場合は違います。学校は試験によって買い手を選びます。買い手も願書を出すという行為によって「買いたい」という意志を表示します。

 学校側も保護者に選ばれるように、魅力をアピールしなければならないし、保護者も買い手として認められなければなりません。

 学校側が買い手にアピールする1つの商材が「防犯」です。

 娘の学校は説明会で学校がいかに安全かを説明していました。

「信頼があれば見張りはいらない」

 信頼関係があれば防犯カメラなんて必要のない物です。

 私もそうですが、親が授業参観や行事に行きたいのは我が子が学校で頑張っている姿を観たいからです。

 先生がちゃんと授業をしているのか確認してやろうという気持ちの親はいないはずです。

「良い授業をしてくれている」

という信頼があれば見張る必要はありません。

 信頼している先生だから、子どもが叱られても何とも思いません。

 小学校や中学校の受験を考えている親御さんはその信頼を求めているのではないでしょうか?

 天現寺さんのブログを読んで、安心と信頼も自分で動いて獲得しなければならないのだと感じました。

こちらも読んでみて下さい

『バタバタな日常。庶民が私立小に子どもを通わせるということ。』