習い事と受験、入学した学校での立ち位置

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習い事

 娘たちには色々と習い事をさせていますが、物事を習得するには時間が掛かります。

 大人の習い事と違って、成長過程の子どもの習い事は身体の発育と絡み合っているようです。

 大人はすでに神経系統も身体も出来上がっていますから、習い事は技術の習得という面が大きく1年も習えばそれなりに習得できるのでしょうが、子どもの場合幼い頃に蒔いた種が成長に伴ってやっと芽を出してくるように思います。

悩みの種

 小学校受験でも中学校受験でも悩みの種になるのは習い事と塾の両立ではないでしょうか?

 我が家は小学校受験することを娘が1歳の頃に決めたので、習い事は水泳と体操だけでした。ピアノやバレエなどは経済的にも時間的にも負担が重くなり、やめなければならないことが予想できたからです。

 せっかく3歳頃から始めても、5歳でやめてしまっては何も習得しない状態でやめることになります。そして受験が終わったからと言って、一度やめてしまった習い事はなかなか再開できません。

 だから元々ピアノを習わせたいと思っていましたが、小学校に入ってからと決めていました。バレエは元から捨てていました。

 なぜかと言うと、塾も習い事も始めるタイミングが重要だというのが妻の考えだからです。

その場所での立ち位置

 妻は小学2年生から水泳を始めました。同じ級には幼稚園児くらいの小さい子ばかりで、身体の大きな妻は惨めな思いをしながら水泳に通ったそうです。習い事でも楽しく通うには立ち位置が重要なようです。

 ピアノは個人レッスンですがバレエは集団です。小1でノコノコ入っても楽しく通えないだろうと考えました。習字や算盤は小1から始めても遅くありません。その教室に通える一番早い段階から通わせたいというのが妻の持論です。

 だから水泳は0歳から始めて、体操は1歳から始めました。ジャックにも年少のスタートから通いました。

 1歳から3歳頃までの体操教室は平均台を渡ったり、トランポリンの上を走ったり、指示行動の基礎となるような内容でした。そのおかげでジャックに通った3年間は体操が得意だと思えました。

 体操教室はしばらくジャックの体操と並行して通いましたが、地元のわんぱくな体操教室の雰囲気とカトリックの女子校にむけた対策との間に齟齬があると感じ、年中の終わりに退会しました。水泳は年長の間も休まずに通い、今でも続けています。

 特に幼い頃の習い事は親が一緒に行かなければなりません。我が家では僕と妻とで仕事を調整し合いながら通いましたが、お母さんが一人で全部連れていくと考えたら大変だろうなと思います。

塾と習い事

 妻の生徒のご家庭も中学受験と習い事の両立に悩むご家庭が多いようです。妻のお客様たちはリッチな方々しかいないので、基本的にみなさん色々と習い事をされています。

 我が家のような庶民の場合、習い事を続けるか検討する1番の理由は経済的な理由です。ですが、妻の生徒のご家庭の場合は経済的な理由から習い事の継続を悩むご家庭はほとんどありません。

 多くの方々が子どもの成績が理由で悩んでいるようです。実際に塾は学年が上がる毎に忙しくなります。5年生にもなると毎週のように週末がテストです。学校から帰宅する時間も遅くなり、週末に習い事を入れていると塾の課題などを家でこなす時間が取れなくなります。

 偏差値が思うような位置にない場合、勉強時間の捻出を第一に考えなければならなくなります。長く続けてきた習い事は子どもも好きでしょうから、やめさせるのは心が痛むと思います。

 だから

「次の組分けで上に上がれなかったらやめるよ」

と、条件をつけます。ですが、妻から聞く話だと中学受験のための習い事のやめ時は、子どもが自分で分かっていることが多いようです。

 僕の周りにも子どもの中学受験のためにピアノやバレエ、サッカーなどをやめて

「第一志望の中学に入ったら再開する」

と言っていた親御さんが何人もいましたが、受験が終わって予定通り子どもが習い事を再開したという人はほとんどいません。

 何故なら第一志望の学校に合格した人がほとんどいないからです。ほとんどが子どもの持ち偏差値よりもずっと格上の学校を第一志望にしています。

 そういう我が家もそうです。第一志望の学校は今思えば高嶺の花で、我が家などお呼びじゃありませんでした。

 今通っている学校に十分満足しているのは、なんだかんだ言って妻が塾講師で中学受験や大学受験の大変さや、実際に通ってらっしゃるご家庭をよく知っているからです。

 経営者や医師のご家庭と競って、我が家が勝てるとは到底思えないからです。

 娘の学校も充分立派な学校です。よく我が家にご縁を下さったと感謝しかありません。娘たちはわんぱくなお転婆です。第一志望の女子校に通って、おしとやかに過ごしている娘の姿はとても想像できません。

内部進学の子

 幼稚園組や小学校組がいる中学校に入学した場合、内部進学の子は習い事をずっと続けています。小3までバレエを習っていて踊るのが好きな子が、中学から入学してダンス部に入ったものの、やたらダンスが上手で既に上級生とも関係が出来上がっている内部進学組が幅を効かせていて惨めな思いをするなんてよく聞く話です。

 中学受験を乗り越えて来た子たちはみんなたくさん勉強して努力してきた子です。小学校から上がってきた内部生よりも勉強ができるはずです。

 でも、いざ憧れの志望校に入ってみると自分より英語ができて、ピアノが弾けて、スポーツができる子がたくさんいることに愕然としてしまう子が実際大勢いるそうです。

 あとから知るとそれは内部進学組です。じゃあ自分は勉強で1番になれるかと言うと、それも難しいのです。

 中学受験組の中にはもっと高い偏差値の学校にあと1歩で及ばなかった頭の良い子が大勢います。内部生の中にも、1年生から個別指導に通ってずっと勉強してきた子もいます。

 小学校受験も中学校受験も親の思いが強い受験です。入るまでの偏差値の上下に拘ってしまいやすいですが、入ったあとの子どもの立ち位置を考えないと辛い思いをするのは子どもです。

 得意なことを作ってあげたり、惨めな思いにならないような学校を探してあげたりすることは親の努めです。

 昨今学校はどんどんグローバルな方向に推移しています。特に私立を受験するようなご家庭の子は帰国子女も珍しくないですし、大体の学校に帰国子女の枠があります。日本にいて普通に中学受験をすると英語の勉強はしません。

 ですが、内部生は小学校から英語の授業を受けています。英語を習っている子もたくさんいます。

 中学受験を考えているご家庭でも、幼少期に英会話を習わせていたという方は多いと思います。

 でも、中学受験のためにやはりどこかのタイミングで中断しなければなりません。自分の子は英語を習っていたから英語が得意なはずと思っていても、継続して英語を習っている内部の子とは差がついている場合ご多いようです。

 幼少期の英会話と、中学以降の英語の成績は繋がらないとも言われています。

 どの学校も英語ができる子が羨ましいと思われる傾向にあります。

 中学・高校で子どもが楽しく過ごせるためにどんな武器を持たせてあげられるでしょうか?

 

 受験はあくまで通過点ですが、やはり人生を大きく左右することです。子の人生は親のものではありません。

 大事なのはより良い着地点を探してあげることです。

習い事を続けている子たち

 中学受験をする子でも持ち偏差値が高ければ習い事を継続している子もいます。さすがに6年生の1年間はお休みする子が多いようですが、成績が充分なら習い事の1つや2つ続けていても問題ないのでしょう。

 豊島岡中高の合唱部のレベルが高いのは、成績優秀でピアノなどのお稽古を続けていた子が多いからなのだと思います。ジャックの学校別クラスで1番ペーパーが出来た子は、年長でもピアノを続けていました。

 ただ先生が家まで来てくれたり、お母さんが100%送り迎えをして時間を節約できたりすることが条件でしょう。共働き庶民の我が家は真似できません。

 娘たちを見ていると、最近ようやく習い事が実を結んで色んなことができるようになってきたと思います。技術として習得できるのはこれから先の話です。

 ところが中学受験をするならもうやめ時です。せっかくできるようになってきた段階でやめるのはとても悲しいです。

 我が家は小1の頃四谷大塚に通って、塾のホームワークをこなす時間が作れずに早々とやめました。ほとんど白紙のままの教材は全部メルカリで売りました。

 学年が上がれば学校からの帰宅も遅くなり宿題の量も増えます。娘の学校は遠いので朝早く起きるために夜はできるだけ早く寝かせます。

 共働きの我が家が娘たちの勉強を見られるのはほんの1、2時間です。その間に学校の宿題を終わらせて音読を聴いて受験のための勉強をするのは不可能です。

 結局僕か妻のどちらかが仕事を制限して娘たちが学校から帰るのを待ち構えていないとこなせません。

 多くのご家庭が仕事を制限するのはお母さんでしょう。そうするとお母さんのストレスが溜まります。お母さんが幸せなことが家庭が幸せでいられる1番の近道です。

 我が家の場合妻は運転ができないし収入も良いので、僕が専業主夫になるしかないです。

 我が家は中学へはそのまま内部進学するつもりですが、外部を受験する子もいるようです。学校の課題と受験勉強の両立が大変なご家庭への配慮で、今年から課題の出され方が変わりました。

 小学校受験が駄目なら中学受験と思う方は多いのでしょうが、それは本当に大変なことだと思います。

 中学受験をするなら最初から小学校受験なんて見ずに、3歳から小3まで習い事をしていた方が良いです。そうすればその6年間でそれなりにできるようになっているでしょう。

 小学校受験をしたなら、ご縁を頂けた学校に通って1年生から習い事を始めれば、やはり6年間で得意なものを作ることができます。

 ご縁をもらった私立小学校が第一志望じゃなくても高校まで通える学校なら、高校まで通った方が楽しく過ごせるのではないでしょうか。私立の学校は指定校推薦も多く持っているし、12年間は「内部生」として自分の立ち位置を築くことができます。

 年長さんのご家庭は、今が1番大変な時期だと思います。良い着地点を見つけて楽しい12年間が送れるように、微力ながら応援しています。

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3件のコメント

我が家は2022年の10月に受験をして、この4月から小学生になります。
お受験についてのパパの考察をされている方は少なく、いつも参考にさせていただいてました。
ありがとうございます。
今後の更新も楽しみにしております。

追記
ブログ少しだけ拝見いたしました。
というよりすごいですね!憧れの学校。
我が家なんて全然です(笑)
後ほどじっくり読まさせていただきます。
下のお子様の受験も頑張ってください。

メッセージありがとうございます。
まずはおめでとうございます!
春から楽しい生活をトラブルなく送れるよう、微力ながらお祈りいたします。4月が待ち遠しいですね!
いつも読んでくださってありがとうございます。
お得な情報や、勉強法など何も書いていない僕のブログを読んで下さって本当に嬉しいです。
今後も頑張ります。よろしくお願いします。

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