庶民だからこそ、小学校受験をして良かった

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小学校受験をして良かった

私立小学校は良いところ

 私立小学校の受験をして、我が家の双子の娘は、都内の私立小学校に通っています。受験が終わって思うことは、私立小学校は本当に良いところだということです。

双子の娘

家庭学習が充実しています

まず、宿題として持ち帰ってくる家庭学習が充実しています。娘たちは双子で同じ宿題をやっているということもあり、競い合って楽しみながら毎日取り組んでいます。かつ、同じ内容を何度も繰り返しながら家庭学習が進んでいくので、力がついていく様子がはっきりと見て取れます。

 特に国語の学習は、小学1年生の頃から、文章の内容を考えて記述する問題が多く、文章を読んで解釈し、考えをまとめる力がつく内容になっています。作文の課題も多いので、小学生ながらにも、自分の意見を筋道をたてて言えるようになっています。

 私立の学校ならではの、高校まで一貫した教育理念が、小学生の段階から既に始まっているのだと実感しています。

本を読む女の子

専門家の先生方

 そして、科目の先生方がそれぞれの分野の専門の先生です。ここが私立小学校の一番の特徴ではないかと思います。専門の先生に教わることは、特に初等教育期に於いてこそ重要ではないでしょうか?人には誰しも得手不得手があり、全ての教科がまんべんなく得意だということは有り得ません。文系で理科があまり好きではない先生が、理科を楽しく教えられるでしょうか?専門分野だからこそ、面白いカリキュラムも考えられるし、子どもたちにその分野を学ぶことの楽しさを伝えられると思います。

 例えば、娘たちが通っている学校は、「図工」1つとっても、絵は絵の先生、工作は工芸作家の先生と別々の先生から教わっています。「言葉」や「読書」という私立ならではの特別な授業もあり、その内容は僕にとっても興味深いものです。英語も1年生からカリキュラムに組み込まれています。

 授業が楽しいから、娘たちは先生の事が好きで、だから学校が好きです。休みの期間で学校に行けないと不満に思う程です。

小学校受験にはメリットがたくさんあります

 我が家は共働きの庶民です。だから我が家にとって私立小学校に通うことは、大きな出費です。当然楽ではありません。ですが、その出費を補ってあまりある恩恵を我が家にもたらしてくれています。

習い事ができる

 1つはピアノや習字、スポーツなどの習い事を長い目で見て続けられることです。中学受験が控えていたら、これらの習い事は割と早い段階で辞めなければなりません。中学受験はそれ1本に集中しなければ到底乗り越えられないほど、大変になっています。実際、個別指導で中学校受験の仕事をしている妻の生徒さんたちは、4年生から習い事を減らしていき、遅くとも5年生の夏までには、受験のための塾だけにしぼっています。我が家は中学受験はしないので、のんびりと習い事に通っています。

情操教育に時間がかけられる

 先程の習い事も含まれますが、2つ目は、情操教育を大事にできるということです。絵を観に行く、音楽を聴きに行く、舞台を観に行く、絵を描く、本を読むといった、文化的、創造的なことにたくさん時間をかけられます。僕達は共働きで、まとまった日数で休みを合わせることが難しいので、旅行に行けない代わりに、家族でお芝居やコンサートを観に行くことを大事にしています。私立小学校には試験休みや入試休みといった、私立ならではの休みがあるので、空いているときに出かけることができます。これは旅行にもメリットですよね。

親の精神的なゆとりを得られる

 実際この部分が一番大きなメリットだと感じています。とりあえず、しばらくの間は受験がないので、親に精神的なゆとりができ、自分自身の生き方に目を向けることができます。

 

庶民の小学校受験のすすめ

 我が家が小学校受験を選択したのは、妻が個別指導の講師をしていて、中学受験や大学受験の仕事をしているからです。毎年受験に臨むご家庭をたくさん見てきて、中学受験の大変さを目の当たりにしてきたので、中学受験を回避することが目的でした。妻の強い意志で、幼稚園に入園する前年の11月、「新年少」からジャックに入会して、受験がスタートしました。

 我が家は共働きの庶民なので、もちろん僕は小学校受験なんて考えていませんでした。ですが、我が家では妻の意見は絶対です。(まあ、大抵のお家はそうでしょうけど)反論する権利なんて僕にはありません。それに年少の頃は、ジャックの月謝もそこまで高額ではないので、僕もジャックに行く日を休みにして、家族みんなで通いました。

ジャック

 ジャックの授業は親が参観するスタイルになっていて、子どもたちが授業を受ける様子を後ろから参観します。通っているうちに気づきましたが、ジャックの授業は、子どもたちというフィルターを通して、親が授業を受けるのです。授業時間のなかで出来るようになったこと、出来なかったことを家に持ち帰り、次の授業までに家族で課題に取り組みます。どのように取り組むかのヒントは、授業を受けている子どもたちの姿を観ていると分かってきます。課題を夫婦で話し合い役割分担をして取り組みました。

走る女の子

夫婦で役割分担

 全ての科目に対してそれぞれ先生に教われるようなリッチなご家庭なら(私立小学校に通っているご家庭はそういうところが多いですが……)お教室の掛け持ちや、個別の先生などで対策できるでしょうが、庶民の我が家では不可能です。だから、夫婦での役割分担が絶対に必要です。小学校受験に取り組んだ3年間は、妻と二人三脚で走った3年間でした。

女性肖像画

 ペーパーは主に妻が担当し、それ以外の体操、工作、面接対策は僕が担当しました。中学受験だったら僕は全く役に立ちません。

家族の絆を強くする

 家族みんなで1つの目標に向かって取り組んだ、とても充実した3年間でした。全ての行動が受験に結びついていました。これは小学校受験でしか得ることの出来ない貴重な体験だと思います。

合格は感動

 ですから、試験が終わって学校からご縁をいただけた時は、嬉しくて飛び上がるほどでした。結果我が家は第2志望の小学校に決まりましたが、娘たちのことを考え、学校にも足を運び、実質第1志望として考えていた学校です。

頑張ったから学校が楽しい

 本当に頑張って入学できた学校だからこそ、子どもも親も学校が好きになれます。先生のことも尊敬できます。

 初等教育期間は、人間性を構築する上でとても大切な時間です。この時間を、学校をないがしろにして受験勉強に邁進するのか、好きな学校に通って、学校のことを一生懸命やって、楽しく習い事に通うのか……。我が家は小学校受験をして良かったと思います。

 受験はどこかのタイミングで誰でも必ず通ります。小学校受験は他の受験と違って、受験のための特別な勉強ではなく、子育てに必要なことがらの延長線上にあります。

 受験をするか迷っているご家庭は、小学校に入ってからの暮らしを想像して、どんな子育てをしたいのか、自分自身がどんな人生を送りたいのか考えてみてください。きっと小学校受験が魅力的に見えてきます。

今回はこのへんで。読んで下さってありがとうございました。