私立と公立の比較。私立のほうが付き合いが楽?!

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

私立と公立の比較

 先日妻が久しぶりにお友達と会ってきました。お子さんが娘たちと同い年なので、学校の話をたくさんしたようですが、お友達は公立の小学校に通っています。

 我が家は隣近所とほとんど付き合いがありません。妻の生徒はほとんど私立に通っています。僕の職場にも娘と同年代の子どもがいる同僚はいません。

公立の話は

 そのため、私立小学校の話は聞く機会があっても、公立の話はあまり聞くことがありませんでした。

 帰ってきてから妻が言っていたのは、学校と保護者の文句ばかりで驚いたということです。

 僕も妻も学校に対しても先生方に対しても不満なんて一切ありません。同級生の保護者ともほとんど関わることがないので、不満を持ちようがありません。

 会って話している間中ずっと文句ばかり言っていたと言うので、一般的に「お付き合いが大変」と言われている私立の方が、よっぽど付き合いが楽なのではないかと思ってしまいます。

 妻のお友達は、トラブルになった同級生の保護者と習い事の送り迎えでも会うから気まずいと話していたそうです。

 確かに公立は近所の家庭が通っているから、習い事でも一緒という例は多いのでしょう。これは私立だとほとんどないので、僕にとっても妻にとっても盲点でした。

 色んな地域から通ってくる私立の学校では、家の近所の習い事まで一緒ということは稀でしょう。我が家は学校から遠いのでまずあり得ません。

 習い事どころか、公園などでも会ったら嫌なので、自然と避けるようになると言っていました。

 大人ですら学校でトラブルになった相手と、習い事や公園で会うのは気まずいのです。子どもはもっと気まずいでしょう。

 学校は集団生活ですから、苦手な相手くらいいるはずです。家から遠い私立に通っていれば、嫌な相手と会うのは学校だけです。ですが近所の公立に通っていると、学校でも会って、習い事でも会って、家も近いかもしれません。子どもが感じる閉塞感は強くなるのではないでしょうか

 遊びの誘いを「用事がある」という理由で断ったのに、実はそれが嘘で、後からバレてトラブルの原因になることがあるようです。家と学校が遠いと、嘘がばれることはほとんどありません。子どもだって嘘をついてでも遊びたくないことはいくらでもあるはずです。

近所に住んでいると

 以前からブログにも書いていますが、近所に住んでいると家の様子が丸裸になります。大人ならお互いの職業や経済状況など、踏み込んだことは空気を読んで聞いたりしません。

 でも子ども同士では話します。親の仕事は何か、車は何か、どんな家に住んでいるか包み隠さず喋ります。僕も娘の同級生のお父さんやお母さんの仕事を、娘たちから聞いて何人かは知っています。

 ですが、たまに学校に行ってもどの人が誰の親御さんなのかほとんど分かりません。生活圏が全く違うので、学校以外の場所で会うこともまずありません。

 生活状況が分かってしまう弊害はたくさんあります。それは親が相手の親の職業などによって、子ども同士の付き合いを制限してしまうことです。いくら子ども同士は仲が良くても

「〇〇君のお父さんは〇〇の仕事をしているから、あまり付き合うな」

と親が言ったら子どもはどう思うでしょうか?

 私立に通っていれば、親の職業が良くないという発想がありません。基本的に裕福で立派な仕事をしている家庭の子が通ってきていると、誰もが思っているからです。

 私立の学校でも何かしらのトラブルは起こります。友達の持ち物がなくなってしまったり、喧嘩をしたり。

 でも「あそこのお家は良くないから、あの子ならやってもおかしくない」という解釈は生まれません。

 妻のお友達が言うには、何気なく言った言葉でも尾ひれがついて揉め事の原因になるため、自然と何も言わなくなるそうです。

 娘の学校で保護者同士話す機会があったとしても

「いつも娘と仲良くして下さってありがとうございます」

とお礼を言い合うだけなので、保護者同士での揉め事など起きません

 もし子ども同士の間で何事か起きても、学校で起きたトラブルは先生たちが解決してくれます。娘の学校でも、何かトラブルが起きた場合は必ず学校に報告して、保護者同士では解決しないようにと指導されています

 妻のお友達は、お子さんが友達から借りたキックボードを壊してしまった話をしていました。たまたまお友達のお子さんが使っている時に壊れたそうですが、確認したら最初から固定する部品がなくなっていて、いつ壊れてもおかしくない状態だったようです。結局トドメを刺してしまったため、弁償したそうです。

 この状況も我が家の場合は起こりません。学校の友達から玩具を借りることがありません。

フィルター

 人の物を壊してしまったり、学校で物がなくなったりすると、必ず親の職業や経済状況というフィルターを通して見てしまいます。だから疑ったり、濡れ衣を着せてしまったりということが起こります。

 少なくとも私立の学校ではそんなフィルターはありません。むしろお互いの保護者を「私立小学校の親」というフィルターを通して見ています。

 公立小学校の教員をしている妻の妹の話によると、クラスで揉め事や金品の紛失などのトラブルが起こると、担任の先生の評価が下がるそうです。だから先生たちはそういった事案を隠そうとします。妻のお友達も子ども同士がトラブルになった時に、当事者同士で解決するように言われたそうです。

 でも、これは先生が悪いのではありません。むしろ大変だとおもいます。なくなった品物を先生が自腹で買ったり、不足している集金を自腹でこっそり補ったりもすることもあるそうです。

 結局揉め事が起こるのは、担任の先生を敬えない保護者の姿勢が問題なのではないでしょうか。先生どころか保護者同士でも敬い合えないから揉め事になるのだと思います。

「あの先生は贔屓をしている」

「あの先生は大した学歴じゃない」

「あそこのお母さんは水商売だから」

「あの子は都営住宅に住んでいるから」

と、いくらでも理由はつけられます。

 クラス替えの時期になると、〇〇さんとは違うクラスにしてほしいという保護者からの要望が必ずあるそうです。要望に応えないと後から揉めることになるので、絶対に要求に応えるそうです。

 職業に貴賤はないなんてのは綺麗事です。誰もが自分の子どもには良い職業に就いて豊かな暮らしをしてほしいと願うから、より良い学校に入れようと受験を頑張るのです。

「中卒で日雇いになれ」

と子どもに言う親がいるでしょうか?

 僕は娘たちの学校の先生も、同級生の保護者もみんな自分よりも立派な方々だと思っています。実際にそうでしょう。

 むしろ僕の方が馬鹿にされる職業に従事していて学歴もありませんが、私立の親というフィルターのおかげで救われています。

 私立に通っていることで、子どもの揉め事が「親が悪いから」だとは思いません。学校でのことは先生の判断に委ねています。

 我が家も一応受験を乗り越えて来たので、児童心理や教育学もある程度は勉強しました。だから、子どものことだから仕方がないと思えます。

 通っている子どもも、受験を乗り越えた優秀な子どもたちだと思っています。

信頼関係

 私立の小学校は「保護者」「子ども」「学校」の三者の信頼関係が成り立っているから、先生方も問題を表に出して解決して下さるし、保護者同士で揉めようとは誰も思っていません。むしろ揉め事を大きくして退学になることのほうが困ります。

「あの先生は贔屓をするから辞めさせてやろう」

などというのも、公立でしか起こらない発想です。私立ではまずあり得ないし、辞めさせられてしまうのはむしろ生徒の方です。

 保護者も皆競争社会で勝ち残った方たちですから、贔屓している先生が悪いのではなく、贔屓されない子どもが悪いくらいに思えるのではないでしょうか?社会的には負け組の僕ですらそう思います。

 子どもが不平を言うのは分かります。でももし娘が

「〇〇先生は〇〇さんを贔屓している」

と言ったら

「あなたも贔屓されるくらい頑張りなさい」

と言います。大人になったら、上司にもお客様にも贔屓されないとならないのです。

 僕だって、時々しか来ない客様よりも、何年も通ってくれて、たくさんお金を使ってくれて、時々差し入れもして下さるお客様を大事にします。先生も人間なのですから贔屓をするのは当たり前です。

 文句を言う親も、もし自分の子が贔屓されている側だったら

「あの先生はよく見てくれる良い先生だ」

と言うのではないでしょうか?

 結局先生のことも他の保護者のことも敬えないから「贔屓をする先生を辞めさせよう」などという馬鹿げた発想になるのだと思います。

 そういう人はたくさんいますが、接客態度が悪いなどといった些細なことで店員に憤って

「お前なんか辞めさせてやるぞ!」

と言う人はただのクレーマーです。基本的には帰った後で店員たちから笑われているでしょう。なのに何故公立の学校では「先生を辞めさせろ」だの「〇〇君と違うクラスにしろ」だのということがまかり通るのか甚だ疑問です。

私立小学校のデメリット?

 僕は小学校受験当時に、私立小学校のデメリットのようなものをまとめたサイトを読んでいました。

そこには

「私立小学校は地元の友達ができないので子どもがかわいそう」

「公立のほうが幅広い家庭の子が通っているので社会勉強になる」

「保護者同士のお付き合いが大変」

などと書かれていましたが、実際に公立小学校のお母さんから

「揉め事になるから近所の公園では遊ばない」

「嫌な仕事をしている親の子とは違うクラスにしてほしい」

「保護者同士で揉めるため、自然と避ける」

という話を聞くと、サイトでまとめられていた私立小学校のデメリットとは一体何なのでしょうね?高額ランチのお付き合いなんて、している方もいるでしょうが、僕は今まで一度もありません。

 我が家もそうですが、私立小学校受験をされている親御さんは環境の良い場所を求めて受験しているはずです。そのためにたくさんお金も使っています。

 子どもにも年齢不相応な努力をさせて、親も色々我慢しています。

 そもそも無料の公立と比べて、有料の私立が劣る点などあるはずがないと思います。

「安くても充分だったね」

という個人的な感想はあっても

「高いものより安いもの方が質が高い」

ということは絶対にありません。

 公立小学校の方が、保護者同士の付き合いが大変なように感じます。

こちらも読んでみてください

学校に楽しく通ってほしい」という親の願い