メリットはある?庶民の小学校受験

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

考える少女

 今回は小学校から私立に通うメリットを考えながら、当ブログの趣旨をまとめます。

 今は中学受験が一般的になり激化の一途を辿っています。そのためか小学校受験に参入するご家庭も増え、以前なら私立小学校には通わなかったようなご家庭も私立に通っています。我が家もその1つです。今後どんどん小学校受験の参加者は増えるのではないかと思っています。20年前は中学受験も今より特別なものだったのが、多くの人が参入するようになりました。

 共働きで経済的になんとかなる世帯が増えたことと、子どもの将来のために良い教育をと考えるご家庭が増えていることが背景だと思います。特に一般的には庶民と呼ばれるようなご家庭の場合、子どもが良い職業に就くために良い大学を出なければいけないという考えから、教育熱が高まるのは当然の流れだと思います。我が家もそうです。娘には自分たちよりも良い暮らしをして欲しいと願っています。

 

「まずはこのブログについて」

 当ブログは中小企業サラリーマンの僕が、個別指導塾の講師をしている妻に協力してもらいながら作っています。

 我が家は庶民の共働き夫婦で、数年前に小学校受験をし双子の娘を中堅私立小学校に通わせています。

 妻は私立に通うお子さんの学習のフォローから中学受験、大学受験まで幅広い年代の生徒さんを担当しています。個別指導なので現役の生徒さんから学校生活や受験に関する生の声を聞くことができます。

 妻の生徒さんから聞く話をもとに日々夫婦で話している受験に関する事柄を記事にしており、それが当ブログの強みです。

 どの受験も年々レベルが上がっています。小学校受験も僕たちが経験した当時のことはもう通用しないかもしれません。だからこのブログは他の小学校受験のブログと違い、家庭学習の方法などを紹介するものではありません。受験は終わった段階で過去だからです。

 中学受験や大学受験を踏まえた上で、庶民の共働き夫婦が小学校受験を目指す意味を考えるというのがブログのテーマです。

 小学校受験に取り組む中で色々な悩みが生じると思います。私立小学校を目指そうか悩んでいる方や、途中で壁にぶつかって続けるべきか迷っていらっしゃる方が、「私立小学校を目指ざそう!」「受験を最後まで乗り切ろう!」と前向きな気持ちになれるブログを目指しています。

バンサイする少女

「できれば家庭学習だけで済ませたいけれど」

 改めて当ブログの趣旨について書きました。僕は小学校受験をするならお教室には通うべきだと考えています。「家庭学習だけで難関校にご縁をいただく方法」などを紹介しているサイトもありますが、僕のブログは立場が違います。

 もちろんそういったサイトを否定するわけではないですし、中には家庭学習だけで複数の学校からご縁を頂けるご家庭もあるかもしれません。

 ではなぜお教室が必要かと言うと、通うことで優秀なお子さんをたくさん目にするからです。立派なご家庭の優秀なお子さんを見ると、親の意識や考え方が変わります。

 僕も最初はできるだけ費用を掛けずに超難関の大学付属を目指したいと考えていました。でもご両親ともに立派で、お教室の先生とも仲良しで、子どもも優秀なご家族をたくさん見たら、我が家が家庭学習だけで張り合える絵は想像できなくなりました。

 そういうご家庭のお父さんはご職業も立派です。子どもの躾もしっかりしていて品があります。家点数でかなりリードしています。ところがそういう方こそ、ジャックの講座をたくさん受講しています。本来なら中小企業に勤めていて、共働きのため娘の躾が行き届いていない、家点数が0点の我が家の方こそたくさん講座を取って鍛えてもらわなければいけません。講座をたくさん取れないのは予算の問題です。それでいて講座をたくさん受講しているリッチなご家庭の上に立とうと考えていたのですから勘違いも甚だしいです。

 ですが、そういった逆転現象はよくあることだと思います。実は成績優秀なハイソなご家庭の子ほど塾代にお金を掛けているということは、中学受験でも大学受験でも同じです。経営者のお家の開成高校に通うお子さんが、鉄緑会に通っていて、さらに個別指導を受けているなんて例はたくさんあります。そういう子が東大しか受験しないわけではありません。当然早慶もMARCHも受験します。妻は実際にそのような子を毎年目にしています。大学受験でも競う相手はそういう人です。両親ともに高学歴で、子どもは優秀な進学校に通っていて、更に塾代に月々何十万円も掛けている子と、大手塾1つと家庭学習だけで勝負するのは素手で戦に出るようなものです。この事実を知るのが後になればなるほど、気づいた時の落胆は大きくなります。

 庶民の感覚からするとそういうご家庭は雲の上の人で自分は関係ないと思いたいところですが、受験という同じ戦場で戦う以上条件は同じです。だから僕は自分の位置をわきまえた上で、子どもにとってより良い着地点を見つけてあげることが親の役目だと考えています。

 我が家は年長の学校別クラスに通いだしてから、そのような立派なご家族を見るようになりました。自分たちが勘違いしていたことに気づけたことで、志望校に対する考え方が変わりました。そのおかげで今楽しく暮らせています。

 難関校だけを受験して、それ以外の学校なら行っても意味がないから公立と考えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか?僕は昨今の中学及び大学受験の状況を踏まえた上で、この「行っても意味がない」という考え方が変われば、小学校から高校までの生活がより良いものになると考えています。良い着地点を早い段階で見つけることが1番幸せだと思います。

目的地はどこ?

「意味のない私立はありません」

 妻は仕事柄色々な学校の生徒さんを担当していますが、誰の話を聞いても私立の学校はそれぞれ素晴らしい教育をされています。

 確かに近視眼的に見れば、ゴールになり得る大学付属じゃなければ行く意味がないと思われるかもしれませんが、大学の指定校推薦を多く持っている学校もあります。なんと医学部など医療系の学部に進学できる学校もあるのです。長い目で見れば、ご縁を頂けた小学校に通うことが、もともと目標にしていた大学への1番の近道かもしれません。

 ICT教育が充実していたり、キャリア教育に力を入れていたり、教科毎に専門の先生に教えて頂けたり、公立にはない魅力が私立には多いです。一貫校の場合は小学校から通っていることで、部活動や委員会活動などに自信をもって参加でき、指定校推薦に有利になれる可能性があるのではないかと我が家は期待しています。

 だから意味のない私立の学校なんてありません。中学受験をする場合でも学校が課外授業などを設けて受験を応援しているところもあります。公立に行って中受をするほうが、学校にいる時間が無駄になるのではないでしょうか?先生の言うことも聞かない、受験優先で行事は適当に参加する、学校の授業と受験の内容の乖離が大きいため学校の勉強を軽視するといったことがまかり通っていますよね?

 ご家庭の方針なので否定はしませんが、僕は私立小学校を進路の1つとして検討したなら、絶対に私立に行かせるべきだという立場でブログを書いています。中学からは私立と決めている場合、公立なら受験1択ですが私立に行っていれば可能性が広がります。一貫校なら受験をしてもしなくても良いのです。習い事をしたり学校を楽しみながらのんびり考えれば良いのです。現に我々も習い事やアフタースクールの利用など、学校に通っている間に考え方が変わっていっています。私立一貫校に通っているゆとりがあるからです。子育ては初めての経験なので当初の思惑と変わることは当たり前です。

 我が家は妻が教育関連の仕事をしているため、娘が私立小学校の先生になったら良いと僕も妻も淡い希望を持っています。小学校の先生になるにはピアノが弾けなければなりません。でも中学受験が控えているとピアノを習わせる余裕はありません。それに小学校から通っていれば、その学校の先生になる道もあるかもしれません。娘の将来への道標がある程度持てたことは我が家が受験をしたことで得られた大きなメリットです。受験は避けて通れない以上、どこかに落ち着くまで親の精神的安寧は訪れません。我が家は小学校受験を諦めずに乗り越えたおかげで、娘の将来に淡い希望を抱くゆとりがあります。

「お教室の選び方」

 お教室を選ぶ上で反省点があるとすれば、せめて年中のうちから第一志望の学校を担当している校舎の授業を取るべきだったという点です。ジャックは年中までは同一カリキュラムということになっていますが、実際は違うと思っています。やはり女子校を担当している校舎はお行儀を丁寧に見て下さるし、共学校をメインに担当している校舎は元気ハツラツといった感じです。これは年中の頃に色んな校舎の季節講習を受講した感想です。年中勉強と年中体操の授業しかない校舎もあれば、年中ハイレベルペーパー、年中絵画がある校舎もあります。さらには年少慶應のクラスまで……。

 取れる講座の数に限りがあるなら早く始めるしかありませんし、どこの授業を取れば1番効率が良いのかも考える必要があると思います。早くから準備しておけば志望校探しも時間を掛けてできます。途中で気が変わってもゆとりがあれば対策できます。年長になってからだと、志望校の変更や追加はそうとうな負担になります。我が家も年長の夏以降に急遽受験を決めたような学校は調べるゆとりがなく願書を書く際に困りました。予算に限りがなければ単純に講座を追加すれば良いのですが、我が家は上限があったため何かを増やしたいなら何かを減らさねばならず迷いに迷っていたので、年長の春から夏に掛けてはかなり苦しい時間を過ごしました。年少から始めて時間はたくさんあったのに、勘違いに気づいたのが年長になってからだったのが致命的でした。せめて年中で気づけていたら良かったと反省しています。

 受験する学校によって、家庭での取り組みの内容は違います。女子校ならお行儀に力を入れるべきですし、虫取りより花を育てたほうが良いのではないかなど、時間の使い方も変わってきます。共働き家庭はとにかく時間の捻出が大変です。限られた時間の中でより効率の良い時間の使い方を夫婦で相談して見つけていかなければなりません。我が家は絵本の読み聞かせに1番力を入れて国語教育を重視している学校を選びました。

着地

「まとめ」

 通っても意味がないというのは実際に通っている人にしか言う権利はないと思います。「3年生まで通ってみたけど意味がないからやめた」というならそれは正しいのでしょうが、そういう例は少ないでしょう。私立を考えたのなら色んな学校を調べてみて下さい。きっとそのご家庭にあった学校が見つかります。

「神様はそのご家庭が一番楽しく通える学校とご縁を結んでくださいます」

とジャックの学校別の先生が仰っていました。それは間違いないと思います。受験は辛いこともありますが、家族で過ごす時間が増え、夫婦で話す時間が増え、子育てが意識的なものになるという大きなメリットがあります。

 納得できる着地点さえ見つければ、限られた予算内で塾に通い、満足のできる私立に子どもを通わせる幸せな日々を手に入れることができます。

 小学校受験をして私立小学校へ通うことの幸せを多くの方が享受できるようになるためにブログ作りに取り組みたいと考えています。

 今回はこの辺で。読んで下さってありがとうございました!