なぜ私立受験を考えたのかについて

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猫を乗せて笑う

 読み聞かせについて書くつもりでしたが、書いてみたら偉そうな記事になってしまったのでやめました。

 先日娘の学校の保護者懇談会がありました。学校に行くたびに小学校受験を頑張って良かったと思います。

「ジャックに入る前」

 立派なご家庭は私立に通うことが当たり前かもしれません。でも我が家は庶民ですから、ものすごい背伸びをして娘を通わせています。僕は元々私立小学校なんて考えていませんでした。ただ妻から仕事の話を聞いていて、漠然と中学受験をするのかなとは思っていました。娘が1歳の頃です。

 最初は双子枠がある東京大学附属中学校を受験させようと思っていて、実際妻とベビーカーを押して学校も観に行きました。

 娘が2歳になった月にベビーパークという知育教室に通い始めました。ベビーパークは1時間の授業の中で歌を歌ったり工作をしたりと盛りだくさんの内容でした。マザーリングという時間があり、その時期の子どもの脳科学的なことや怒らない育児について教わりました。特に目からウロコだったのが絵本の読み聞かせに関することです。

赤ちゃん

 普通、幼児向けの読み聞かせは穏やかな声でゆっくり読むイメージです。僕もそのように読んでいました。ところが乳児期〜幼児期の子どもには速いスピードで読んだほうが良いと教わりました。子どもはものすごい速さで情報を処理しているので、ゆっくり読むと飽きてしまうそうです。確かに速く読んでみたら娘たちはとても楽しそうに聞いてくれるようになりました。読み方に躍動感が生まれ表現の幅が広がりました。我が家は絵本の読み聞かせに一番力を入れて取り組みましたが、ベビーパークで速い読み聞かせを教わったことで読み聞かせが楽しいものになりました。年中頃までは速い読み聞かせを心がけていました。

 私立小学校を受験したいと言い出したのは妻です。元々は幼稚園に入ったらベビーパークからステップアップしたキッズアカデミーに入る予定でしたが、妻の強い希望でジャックに入会しました。

パンと双子

「なぜ私立小学校に行かせたいと考えたのか」

 僕はジャックに通ううちに小学校受験にのめりこんでいきましたが、妻は仕事柄たくさんの私立小学校の子たちを観てきたため、娘が生まれたときから本当は私立に入れたいと考えていたようです。それに娘たちが生まれた頃から年々中学受験が難化していました。双子であること、妻が中学受験の仕事をしていることから考えても中学受験は回避したほうが良さそうでした。

 娘たちの通っていた幼稚園はカトリック系の幼稚園で先生方のご指導も素晴らしく、その流れのまま子育てを続けたいと考えていました。公立の小学校に行ってしまうと幼稚園で育まれた生活習慣や品のようなものが台無しになってしまうだろうと思っていました。

 妻は子どもにとっていちばん大事なのは環境で、とりわけ初等教育においては良い環境を選んであげたいと考えていたようです。高校から私立の進学校に通った妻には、つまらなかった公立小・中、楽しかった私立高校という思いが強くあるそうです。僕は高校までオール公立だったので、私立の良さと言われてもピンときませんでした。

 というわけで最初はまったく興味のなかった僕ですが、学校のことを調べていくうちに娘たちを私立に入れたいと希望するようになりました。影響されやすい性質なのです。一番魅力に感じたことは教科担任制を取り入れている学校が多いことです。小学生のうちから専門の先生に教わることは学問に対する興味を育てていく上で重要だと思いました。

 実際に娘たちの学校は先生方のご指導も素晴らしく娘たちは楽しく通っています。アフタースクールもあって共働きの我が家にとってはありがたい環境です。

 学校が主催するイベントの他にも、私立小学校の生徒向けに外部企業が企画している催しや講座もあります。高額なものもあるので我が家は行けないものが多いですが、プログラミングとか珊瑚の研究など、どれも魅力的で参加させてあげたいものばかりです。

「音読とICT教育」

 小学校に入ったら音読の宿題が毎日出ます。娘は自分の音読を撮影して毎日投稿していてGoogleClassroomでお友達の投稿も観ることができます。音読の他にも工作や絵、ダンスやピアノの演奏など毎日誰かしら写真や動画を投稿しています。私立小学生版のTikTokのようです。クラスのみんなに観てもらいたいから、娘たちも積極的に音読に取り組んで投稿しています。音読とICT教育は相性が良いようです。

 ICT教育が進んだことで、このようにお友達の音読や絵や工作がいつでも観られるようになったのは素晴らしいことだと思います。親にとっても良い刺激になります。

 受験期に絵本の読み聞かせにかなり力を入れて取り組んだので、娘たちはお話の記憶が得意で聞き取り話し方での昔話の暗唱も得意でした。

 僕は元役者で妻は国語講師です。音読には自信があります。きっと娘たちは学校でも音読が1番上手に違いないと思っていました。ところが投稿されているお友達の音読を観るとみんな上手です。娘たちなんて全然1番じゃありません。自分たちが背伸びしなければならない環境に身を置くことは良いことです。何度も書いていますが勘違いしません。

音読

「第一志望校は憧れの相手」

 現在通っている学校はアフタースクールもあって給食もあります。送り迎えも必要ありません。自宅から離れた所にあるため、朝は6時半に出かけて夕方17時近くまで帰ってきません。正直共働きの我が家にとってはかなり楽です。第一志望にしていた学校はお弁当で親の送り迎えも必要でした。同じく遠い所にあったので、お弁当を作るために僕は朝4時には起きなければならなかったでしょう。その上校則も厳しく忘れ物など許されなかったでしょう。どう考えても僕にこなせるはずはないのですが、第一志望校は片思いの相手のようなものです。何故か合格したらしっかりこなせると思い込んでいました。

 今考えるともし受かっていたらかなり大変で、僕も妻も疲弊していただろうことが容易に想像できます。なんせ通学中は沈黙なのですから、通学に関して苦情を受けている我が家の双子には無理です。退学になるのではないかと戦々恐々とした日々を送っていたかもしれません。家柄的に合格する可能性はなかったですけどね。

 ジャックの学校別の先生が

「神様はそのご家庭が一番楽しく通える学校にご縁を結んで下さいます」

と仰っていました。本当にその通りだと思います。娘たちの性格にも合ってますし、僕も妻も本当に良かったと思っています。

「最初は悔しかったようです」

 ですが、妻はやはり悔しかったようです。僕は元々低学歴ですので、今通っている学校もじゅうぶん過ぎるほど立派な学校です。実際有名な学校ですし名門だと思っています。僕の中では実質的な第一志望だったので合格できて大喜びでした。妻は貧乏な役者だった僕と結婚しているくらいです。元来ブランド物が欲しいとかハワイ旅行がしたいとか言うタイプの女性ではありませんが、伝統的な名門校の制服を着た娘と一緒に歩くことを夢見ていました。エルメスはお金を出せば買えますが、名門校の合格はお金だけでは買えません。中学受験の仕事をしている妻にとっては、中学校の偏差値が高いことも重要でした。きっと多くのお母様方も優秀な学校の制服を着た賢い娘と一緒に歩きたいですよね。だから妻は中学受験をすると言って、入学前の2月から四谷大塚に入会しました。もちろん僕に反論する権利はありません。

 ところが通い始めると、だんだん学校の素晴らしさも分かってきます。自分たちが学校で1番ではないことにも気づきます。通い始めはトラブルもたくさんあって大変でしたし、学校で出される毎日の宿題をこなすだけで精一杯でした。とても四谷大塚のワークブックにまで手が回りません。そんな状態で何が中学受験だと思い至って四谷大塚は早々に撤退しました。実際に学校の教育や先生方は素晴らしいですし、娘たちは学校も先生もお友達も大好きで楽しそうに通っています。妻もむきになって中学受験なんてするより、学校のことをちゃんとやろうと考えが変わったようです。だいいち私立に通いながらの中受なんて逆立ちしてもお金が足りません。

 最初はむきになって塾に入っても、いざ通ってみるとその学校に満足して受験をやめようと考えることは、小学校受験で第二志望以下の学校に入学されたご家庭の多くが経験されることではないでしょうか?仕事として携わっている妻の話を聞いても、年々中学受験は厳しくなっています。通っている学校よりも偏差値の低い学校にしか行けないかもしれません。

 僕は既に娘に勉強など教えられません。特に算数は余計な口を出さないほうが良いくらいです。一応大人なので小学生の算数の問題くらい答えられますが、問題を解けることと教えられることは違います。ましてや受験レベルの算数など解けもしません。

算数は教えられません

「第一志望じゃなくても」

 よく〇〇に行けないなら公立に行くという方がいらっしゃるようですが、小学校受験をしたなら絶対に私立小学校に行くべきです。どの私立も公立より数段優れています。私立に行くために親も子どもも頑張ったのです。特に子どもは受験のことをよく覚えています。妻の生徒さんたちは高校生になっても小学校受験のことをよく覚えているそうです。一生懸命頑張ったのに公立に行ってしまったら、子どもの記憶にはどのように残るでしょうか?振り上げた刀は振り下ろさなければならないのです。

 学校別クラスの先生はこうも仰っていました

「〇〇に行けなければ公立に行くというご家庭は、大抵公立に行きます」

「幼稚舎だったら行っても良い」とか「〇〇じゃないと行く価値がない」と言っている人はどの目線からそれを言っているのでしょう?価値がないと言っている学校も素晴らしい教育をしていて、我が家のように楽しく通っている家族がいて、第一志望で合格して泣いて喜んでいるご家庭もあるのです。その人たちはみんな価値のない人たちですか?無礼極まりないです。

「駄目なら公立に行って中学受験で早慶に行けば良い」というのもよく理解できません。小学校受験で行けなかったのに、中学からなら行けるという自信はどこから来るのでしょうか?中学受験も大学受験もどんどん厳しくなっているのです。

「この学校は滑り止めだから」というのもそうです。偏差値のある中学受験ならまだしも、小学校受験に関しては滑り止めだと思っているのは本人だけです。ご縁を頂けた学校はそのご家庭に相応しい学校なのです。受験する側が学校を選ぶのではありません。学校に選んでいただくのです。

「リベンジ」

 小学校受験のリベンジを中学受験でと考えていらっしゃるご家庭も多いかと思います。確かに小学校受験を経験している子は偏差値が高い傾向にあるようです。

 ですが、私立や国立小に通いながらの中学受験は大変です。中学受験を積極的にフォローしてくれる学校もありますが、基本的には宿題も多く忙しいです。共働き夫婦ではなおさらです。費用も莫大です。

 泣く泣く公立に通って中学受験で大成功される方もいらっしゃいますが、いずれにしてもお金は掛かるし精神的負担も大きいです。子どもはもう幼児ではありません。特に女の子はちょうど複雑な年頃です。

 僕は6年間も受験のことだけ考えて過ごすのは嫌です。小学校受験の3年間でもやっとの思いだったのにその倍です……。

「まとめ」

 だから受験校探しはとても大事です。どの私立小学校も魅力的です。生涯の財産になる人間関係も築けます。私立の学校は大学の指定校だってたくさん持っています。私立小学校に通ってどんな生活を送りたいのか考えて、楽しい暮らしをイメージしてみて下さい。きっと素晴らしい未来の可能性が開けるはずです。

楽しい双子

 

 今回はこの辺で。読んでくださってありがとうございました。