「学校に楽しく通ってほしい」という親の願い

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

猫のカチューシャをして笑う少女

 小学1年から高校3年まで12年間あります。その間1度くらいは学校に行きたくなかった経験が ある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「学校に行きたくなかった思い出」

 僕は小学3年生くらいから太り始めました。髪も天然パーマです。4年生の時に両親が家を建てて転校しました。小デブで天パの転校生が行った先の学校でどんなことになるか、想像に難くないと思います。4年生の頃は学校に行きたくありませんでした。遠足も休みました。

 妻は痩せていて現在の姿からはとても想像できませんが、子どもの頃は太っていて陰キャだったそうです。中学の頃はさらに「ガリ勉」と呼ばれ、嫌な小・中学生時代を送っていたそうです。

 今は中学受験する子も多いので、公立の小学校でも勉強ができる子は一目置かれるのかもしれません。ですが僕たちの時代、面白い子とか、野球部、サッカー部、バスケ部、バレー部がエースでした。

 僕はそんなに勉強もできなかったので、ガリ勉ではありませんでしたが、美術部だったので全然イケてる部類ではありません。高校は演劇部でこれもまたイケてる部類ではありません。中学・高校と全くモテませんでした。イケてる運動部の連中を羨ましく思っていましたが、僕は運動が苦手だったので運動部には入れません。大人になってからも貧乏な劇団員なのでモテません。よく結婚できたものです

 公立小学校の先生をしている妻の妹も、中学時代は勉強が良くできたために同級生から疎外され、暗い中学時代を送り、修学旅行にも行かなかったそうです。

 妻姉妹は二人とも高校から私立に進学しました。妻は高校が楽しかったようで、だから娘を私立に行かせたいと考えたそうです。

「楽しく通えるように」

 娘たちには12年間楽しく学校に通ってほしいというのが、僕と妻の願いです。

妻は仕事で色んな学校に通っている子と話すので、その話を元に日々娘が楽しく通える方法を夫婦で模索しています。

 得意なものを作ってあげたいという思いで最初に習わせたのが水泳です。妻は子どもの頃水泳を習っていて、今でも週2か3で泳いでいます。

 塾講師という妻の仕事柄か、習っていないことはできないというのが持論です。だから、泳げないと体育の時間が嫌いになると言って0歳の頃からスイミングに通わせています。

 スイミングのベビークラスは親も子どもと一緒にプールに入ります。我が家は双子です。だから僕も一緒に通いました。毎回授業の最後にプールサイドに子どもを座らせて、親が25m泳ぐコーナーがありました。

 我が家が通っていた曜日は、お父さんがたくさんいました。ベビーからスイミングをやらせようというお父さんたちです、みなさん泳ぎが美しく速い方々ばかりでした

 僕は水泳を習っていないので泳ぎは苦手です。自己流の体力任せのクロールしかできません。うまく泳げないことを初めて恥ずかしく思いました。ベビークラスが終わって僕がプールに入らなくても良くなったとき、本当にホッとしました。

 スイミングの後サッカーの服に着替えて、そのままサッカーに行く親子もいました。我が家の子どもが男の子じゃなくて本当に良かったです。僕はサッカーも野球もできません。子どもの頃にみんなが入っていた少年団的な物にも入っていませんでした。キャッチボールもリフティングもできません。

 娘たちは年長の時にも、水泳は休まず週1で続けていました。今は週2通っています。そのおかげか、二人ともスポーツが得意で痩せています。

「コンプレックス」

 僕も妻も太っていた子供時代がトラウマで、大人になってから一生懸命ダイエットをしました。

 だから娘たちを太らせないことは我が家の最重要課題です。特に下の子はお菓子が大好きで、親の目を盗んでは毎日たくさんお菓子を食べるので、水泳をやっていなかったらデブの道まっしぐらです。

 太らせないという命題のために、娘たちが幼い頃は祖父母との関わりにかなり神経を使いました。どこのじいじばあばもそうでしょうが、まあたくさん食べさせてくれます……

 志望校を選ぶ際にも水泳の授業が有ることをチェックしていました。逆にスキー教室があることを大大的に謳っている学校は志望校から外しました。

 スキーは僕も妻もできません。僕にいたっては一度もやったことがありません。毎年スキーに連れていける余裕もありません。 

 結局親が習っていたことや、コンプレックスになっていることを子どもに習わせています。

 僕は字が下手で、娘の連絡帳へのコメントを書くのも恥ずかしいので、娘には習字を習わせていますし、ピアノは我々夫婦の憧れです。僕も妻も一切弾けません。

 僕も妻も文系です。理系の友達には算盤を習っている子が多かったので、娘たちに算盤を習わせています。数学が得意な女子に強い憧れを抱いています。

 少しだけピアノが弾けて、字が綺麗で、スタイルが良くて、小学校から通っていれば、中学・高校に内部進学しても楽しく過ごしてくれるのではないかと考えています。

 我が家は庶民で同級生のお友達とは明らかに生活水準が違うので、そういった事があまり分からない年齢から潜り込んでおくために小学校受験を決めました。私立の学校なら勉強していて「ガリ勉」と馬鹿にされることもありません。好きなことが運動ではなく、音楽や美術でもイケてます。むしろ音楽が得意な子は1番イケてるようです。

 親と同じコンプレックスを子どもが抱かずに済むように僕達は精一杯背伸びをして、私立小学校に通わせています。子どもの頃に持ったコンプレックスを大人になってから取り除くには大変な労力が必要だし、時間も掛かります。それは本来無駄な時間です。

 僕がブログを書いているのも、低学歴コンプレックスの解消や、演劇をやめて行き場をなくした自己顕示欲の納めどころになっているのかと思っています。

「受験は考え方次第」

 受験は確かに親の見栄や、執念で取り組む側面があります。ですが、受験が終わって無事に入学した後は、夢のように楽しい生活が待っていることを信じて受験に取り組んでいるはずです。学校が桃源郷だと思っているのではないでしょうか。まさか学校に行くのが嫌になる姿を想像して学校に入れる親はいません。

 娘たちが小学校に楽しく通えるように、妻の考えで娘たちにはどこの学校も第一志望だと伝えていました

「どの学校も入りたい子がたくさんいるから、試験を受けないと入れない」

「試験を受けて入る学校は全部良い学校で、楽しい学校だ」

と伝えて受験に取り組み、娘たちも頑張りました。

 下の娘はあまりペーパーが好きではありませんでしたが、上の子と同じ学校に入りたい一心で頑張っていました。

 長年受験の仕事をしているからこそのアイディアだと思います。僕だったらどこが第一志望か言ってしまいます。

 子どもたちも同じ入学するにしても、成功したと思っているのと、第一志望が駄目だったから入学したと思うのとでは気持ちが違うと思います。幼児でもそれくらいは分かります。

 子どもにとって受験が成功体験になるか失敗体験になるかは、親の気の配り方一つで変わります。成功体験にできれば自己肯定感も上がります

 そのように妻に言われました。だから我が家は第一志望が駄目でも、受験に成功したと思えているのだと思います。

「選択肢を減らしてしまう」 

 僕はよく「小学校受験に取り組んだなら、絶対に私立に行った方が良い」とブログに書いています。小学校受験を途中でやめて中学受験に切り替えると、受験する学校の選択肢が減ります

 お教室で一緒だった子、幼稚園で一緒だった子、自分が受けようとしていた学校、その学校よりも偏差値の高い学校を受験したいと思うのが人間の心理ではないでしょうか?

 小学校受験をやめようと考えている時は、中学受験でなら今目指している学校よりも良い学校に行けると考えていると思います。

 幼稚舎や青山に行けないから公立に行くと決めたら、中学受験でも慶応や青山を受験しようと考えますよね?幼稚園で一緒だった子が白百合に行ったら、白百合より上の学校に行きたいと思いませんか?

 ですが慶応、青山は中学受験でもトップです。白百合よりも上の学校は東京、神奈川の御三家と新御三家くらいじゃないですか?

 結果的に一生懸命塾に通っても小6で偏差値40台だった場合、また諦めるのでしょうか?SAPIXの偏差値40台は一般的には優秀な部類です。

 中学偏差40台の学校なら、小学校受験で高望みせずに幅広く受験していれば入れたかもしれません。最終的に大学では目指したところに行ける可能性もあります。小学校で入っていれば、塾漬けになっていた6年間を楽しく過ごせたはずです。

 渋々志望校を下げて、当初は見下していた学校を仕方なく受験したら、中学の3年間を楽しく過ごせるでしょうか?私立の小学校へ進学した幼稚園の子、お教室の子の顔を思い出しませんか?

 最初から中学受験をすると決めていて、私立小学校なんて考えてもいなかったご家庭は良いと思います。でもせっかく小学校受験に取り組んだなら、幅広く受験校を選んで「絶対に私立へ行く」という執念で臨んだ方が良いと思います。

 庶民が軽い気持ちで一校だけ受験して合格できる難関校はありません。

「今後楽しく通えるか不安もあります」

 小学校の場合は子どもが楽しく学校に通えるかどうかは、半分は親の満足度ではないでしょうか。親が満足できるかは、考え方次第です。

 娘たちに学校に楽しく通ってほしいと願っていますが、今後どのようになるかは分かりません。今のところ楽しんでいるようには見えますが、我が家とお友達のご家庭の生活レベルの差が分かってきた時に、娘がどう思うか不安もあります。

 だからせめて習い事をたくさんしていれば、苦手なものを作らずに学校生活を送れるのではないかと思っています。

 塾の先生、ピアノの先生、習字の先生、周りに大人がたくさんいれば、親には言いたくない悩み事を相談することもできるのではないかとも思っています。

 双子で通っているから、学校で孤立することはないという安心もあります。

 これから先、学校に行きたくなくなる時もあるかもしれません。成長していく中では悩みもトラブルもあるのは当然です。でも12年間楽しく通いきってくれれば、親として1番幸せです。

PVアクセスランキング にほんブログ村