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「子どもに合う学校」
最近の中学受験関連のブログを読むと
「偏差値ではなく、子どもに合った学校を選べ」
と書いてある記事が多くなりました。
Twitterの小学校受験アカウントの方の投稿を見ても、多くの方が
「子どもに合う学校に」
と考えていらっしゃるようです。
小学校受験も中学校受験も参入するご家庭が増えて、なおかつ入試のレベルが上がっています。今の受験生の親御さんにとって「偏差値だけで選ぶ」とか「ネームバリューだけで選ぶ」といったことは時代遅れなのかもしれません。
「〇〇以下の学校には行っても意味がない」
などと言うのは、受験に実際に参入する前の人が勘違いして言っているか、受験していない人が嫌味で言っているように思います。実際に取り組み始めたらそんなことは言えなくなります。
だから私が書いているような「子どもに合った学校を見つけて、そこを着地点として家庭の幸せを考える」ということは
「そんなこと分かってるよ!」
ということなのかもしれません。
「子どもに合う学校とは?」
では「子どもに合う学校」とは、どんな学校でしょうか?
もちろん、お子さんの性格も一人ひとり違えば、ご家庭の考え方も違います。合うか合わないかは一概には言えません。
説明会に行ったり、学校のHPなどを見ればどの学校も素晴らしく立派な学校に見えます。
実際に私立の学校はどこも素晴らしく立派でしょう。
それに、外部に向けての説明会やHPでは学校の良い側面しか見えません。学園祭などの公開行事で目立っている子は、学校の中でもイケてる子たちです。
私は娘の学校を本当に素晴らしいと思っていますが、通っていれば「?」と思うこともあります。
実際に通ってみて自分の子どもがイケてる部類の子たちになれるか分かりません。
どんなに一生懸命説明会に参加して、行事に参加して、学校が発信している文書を読んで、合う学校を探しても
「こんなはずじゃなかった」
と思うことはあるかもしれません。
だから私は「家庭に合う学校を探して受験する」ことは不可能に近いと考えています。
親が卒業生であったとしても、それは何十年も前の話です。学校は年々変化しています。現に娘の学校も入学したときから比べると変わったことがいくつもあります。
そもそも我が子自体がどんどん変わっていきます。年中や年長の段階で、6年から12年後まで合っている学校なんて見つけようがありません。
そもそも学校自体が違う学校になることもあるのです。都市大附属は元々東横学園です。
「学校に合わせる」
だから「合っている」学校を探すのではなく、学校に合わせていくことが大事です。
「この学校は我が家に合っている」
という考え方は、実はけっこうな上から目線です。上からの目線で学校を見ているから、思惑から外れると
「こんなはずじゃなかった」
「こんな学校なんて」
と考えてしまうような気がします。
私も今までは入試や面接で「学校に合っている家庭か」を見られているのだろうと考えていましたが、実は「学校に合わせられる家庭か」を見られているのではないかと思っています。
考査内容や面接のスタイルなどが変わることがあるのは、それでも対応できる親なのかを見られているのかもしれません。
「娘の学校の面接」
娘たちの学校も元々は子どもの考査中に別室で親のみ面接が行われていました。ところが我が家が受験した年は考査とは別日に親のみの面接に変わりました。「別日に親のみ」となると、その間娘たちをどうするか共働きの我が家にとっては大問題でした。
私も妻も慌てて学校に問い合わせましたが、面接当日は子どもは連れてきてはいけないとのことでした。
にもかかわらず、面接当日に学校へ行くと子どもも連れてきているご家庭がいくつもありました。
その時は「なんだ連れてきても良かったのかな」と思いました。
しかし子どもを連れてきているということは、子どもを連れて行っても良いのかを学校に確認しなかったか、確認してもあえて言うことを聞かず連れてきたかのどちらかです。
当然学校は来てしまった子どもに関しては対応するでしょうが、学校側の要求に対応できない家庭か、学校側の要求をないがしろにしている家庭だという印象になるはずです。
本来夫婦揃って行くべき面接に片方の親だけで行くのも、よっぽどの事情があるか、お父様は当然来られないような立派な家庭でもない限り、同じような印象になると思います。
「共働きでいらっしゃるようですが、もし学校から急な呼び出し等があった時などは対応できますか?」
小学校受験では頻出の質問です。我が家も面接に行った全ての学校で聞かれました。
頻出の質問ですから、皆さん完璧な回答を用意されていると思います。
しかし、だいじな子どもの面接日に都合をつけられない親が、なぜ学校行事などには参加して、急な呼び出しにも対応できるというのでしょうか。
合っている学校を探すのではなく、学校に家庭が合わせるのです。
「子どもに合っているということは」
「子どもに合っている」ということは、子どもが得意になれることがあって楽しく通えるか、親が学校の方針に従って楽しめるかの二点です。
子どもが得意になれることを作るのは親です。
学校の方針に従って、学校を楽しむのも親です。
だから私は、中学校から入るよりも小学校から入ったほうが、家族が楽しく幸せに過ごせる可能性が高いと考えています。子どもの年齢が低いからです。
親の意識を修正するにも、子どもがコンプレックスにならないよう習い事を始めるにも、十分な時間的ゆとりがあるからです。
実際に入ってしまえば、どの学校も教育の質に差はないはずです。どこも特色のある素晴らしい教育をしています。
合わせられないのはどこかでその学校を見下しているからです。もしかしたら、第一志望じゃないからという心がそう思わせているのかもしれません。
学校に合わせられるかどうかは、親の気持ち一つです。
『志望校を考える上で。どんな子が通っているのか』
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