受験は恋愛、あの人にしがみつけ!

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あの人にしがみつけ

 小学校受験も中学校受験も大学受験も、最後までしがみつけるかどうかなのでしょうね。

 今年も中学受験のシーズンが終わりました。

 中学受験に挑んでいる妻の生徒からも合格の連絡が届いています。中には同じ学校を何度も受験して4回目で合格したという知らせもありました。自分が担当している子は可愛いし、合格の知らせは我が事のように嬉しいと妻は言います。

受験は恋愛

受験は恋愛で、願書はラブレターです

とジャックの先生が仰っていたのを思い出しました。

 いつも面白い小学校受験のブログを書いておられるHigurashiさん(ブログのリンクを貼っておきます)がよく歌を引用していらっしゃるので、僕も今回は歌に乗せてみます。

「ほうせんか」詩・曲 中島みゆき

「かなしいですね 人は誰にも明日流す涙は見えません

別れる人と分かっていれば 始めから寄り付きもしないのに

後ろ姿のあの人に「優しすぎたわ」とぽつり

 ほうせんか 私の心

 砕けて砕けて 赤くなれ

 ほうせんか 空まで上がれ

 あの人にしがみつけ」

受験の準備

 受験の準備をしている最中はもちろん成功する絵を想像して取り組みます。失敗することが分かっていれば誰も挑戦しません。成功することに賭けて挑みます。

 こと受験に関しては塾にどれだけ時間とお金を掛けても、合格が約束されるわけではありません

 受験した学校から「✕」を貰うということは

「いらない」

と言われていることですから、ふられたのと同じです。それはもう悲しいです。ご縁を貰える子よりも貰えない子の方が多いのは分かっているのに、辛いものは辛いのです。

 我が家も10月の神奈川は補欠で、結局最後まで繰り上がりの連絡は来ませんでした。

 でもこちらの学校は説明会にも参加せず、〆切直前に出願していい加減な受験だったのでふられて当然です。今通っている学校と説明会の日程が被っていて参加しませんでした。

 中学受験の話になりますが、妻の生徒のご家庭でも、自分の持ち偏差値より下位の学校の対策を真面目に取り組む人はほとんどいないと言います。

「おさえの学校だから、過去問は直前に1回だけやれば良いでしょ?」というノリでいるご家庭が意外と多いそうです。

 他にやることも多いためおさえの学校の過去問に時間を割いている場合じゃないと思っていらっしゃるのでしょうが、直前の冬にはじめて過去問を解いてみて慌てるお母様が毎年いらっしゃいます。

 思っていた問題の傾向ではなかったり、問題が子どもに合わないと言ったりして受験校を変更せざるを得なくなる場合もあります。余裕のつもりだった受験校のプランが崩れるとメンタルにも影響します。

 受験する学校は、第一志望以外は全部第二志望だと考えて時間をかけて対策しなければいけないのです。

 我が家も小学校受験には偏差値はないですが、僕たちが勝手に「おさえ」の学校と決めてしまって充分に対策をしていませんでした。妻の仕事柄そんなことは分かっているつもりでしたが、自分のこととなるとできませんでした。

 おさえだと思っているのは自分だけです

 そこを志望校としてしっかり対策して来るご家庭もあるでしょうし、自分たちより更に優秀な子も受けているでしょう。いい加減に取り組んでご縁を下さる学校はないということです。

大事なのは学校に対する熱意

 小学校でも中学校でも大事なのは学校に対する熱意なのでしょうね。入試日程が複数ある学校の試験を何度も受けてご縁をもらう子はたくさんいます。

 というわけで、ご縁を頂いてはずみにしたかった我が家の10月受験は失敗しました。

 そして、11月1日の第一志望は不合格でした。2日の入試も不合格でした。

 ご縁を頂けたのは今通っている学校からだけです。3日の夜にweb発表のページを開いて、桜が咲いている絵が表示された時は嬉しくて飛び上がりました。

 娘たちはその時2人でお風呂に入っていて、合格を伝えたら飛び上がっていました。娘たちにとっては一番行きたい学校でした。

 翌日以降に出願していた学校は受験せずに、4日から幼稚園に行きました。せっかく願書を出したのだから受験してみようという気持ちより、早く終わりにしたいという気持ちの方が勝ちました

ジャックに報告の電話したら

「早く決まって良かったですね」

と言われました。

 我が家は3日までの間に結果が出揃う女子校をメインに受験したので、その時は早いと言われて一瞬キョトンとしてしまいましたが、試験日程が数日に渡っていて二次試験もあるような学校はまだ試験の真っ只中ですものね。

 だからそう言われるのは当然なのですが、その時は自分たちの周りのことしか頭にありません。とても受験できないような難関校のことなんかすっかり頭から抜けていました。

 小学校受験は、メインの入試シーズンが終わってからが長丁場です。国立の結果が出揃う12月の末から繰り上げが回りますし、年が明けてからも繰り上がりがあります。

 我が家は3日で受験が終わったので、何ヶ月も待っていらっしゃる方の気持ちは体験したことがないため分かりません。察することしかできません

 行きたい学校のことを調べて、実際に何度も足を運んで、関連する本や学校のブログを読んで、「学校のお好み」になれるように何度も願書を書き直しました。

 娘たちが思うように伸びなかったり、他の優秀なお子様と比べたり、何度も心を砕かれました。砕けて砕けてやっと受験当日を迎えました。

 同じ学校別クラスを受講していたお母様が最後の授業のときに

「だめなら編入もあります」

と仰っていたのを思い出します。

 小学校受験は親の思い入れが強い受験ですから、第一志望の学校には皆さんそれくらい恋焦がれているのだと思います。もちろん我が家もそうでした。

 その学校の制服を着た娘や、その学校を卒業する時の成長した娘を何度も想像して、憧れて、目一杯思いが強まって試験に臨みました。

 説明会に行くこと、志望動機や家庭の教育方針を整理してまとめること、願書を書くこと、面接の練習をすること、全て学校への気持ちを強めていくためのプロセスです。

 数年間掛けて真っ当に準備をしてきたご家庭にとって、志望校は何年にも渡って片思いをしてきた憧れの相手です。

毎回の模試が

 毎回の模試が良くて、余裕な気持ちで受験を迎える人の方が少ないと思います。

 何度も何度も心が折れそうになりながら、最後までしがみついた人が最後には笑えるように思えます

 何度も砕けながら、何年も掛けて思いを積み重ねていくので、早く始めた人ほど簡単には諦めないのではないでしょうか。

 色んな学校を見て、それぞれのご家庭に合った着地点を見つけられるのは、時間を掛けて思いを高めているからです

 我が家も毎回模試の結果は良くありませんでした。練習で受けた田園調布雙葉の模試ではまさかの最下位

 第一志望校の最後の模試も良い点数は取れず、学校別の先生から

「ペーパーの力は目に見えてついてきています。お父様頑張りましたね」

と慰めて頂きました。

 子どもの点数に自信が持てないと、色んなことで自信を持てなくなります。そもそも僕は他のお父様と比べてかなり見劣りしています。どこからもご縁を貰えないのではないかという気持ちになりました。

 最後の模試の結果が良くない段階で望みが薄いことは、先生は分かっていらしたでしょうが、お声を掛けて下さって元気づけて下さったことに感謝しています。

 信頼している先生から声を掛けてもらうと勇気が出ます。頑張ろうという気持ちになれます。

 学校別クラスの先生を信じて最後までしがみついたので、今通っている学校からご縁を頂けるくらいの力をつけられたのだと思います。

 第一志望校を諦めて学校別クラスもやめて、今の学校を第一志望にするようにシフトチェンジしていたらご縁を頂けたか分かりません。

 第一志望に行ける子の方が少ないのですから。

 ジャックに3年間通って良かったです。

 妻も生徒のお母様と頻繁にメールのやり取りをしています。お母様の気持ちを上げられるよう、細心の心遣いで文章を書いています

 これは集団塾の先生にはお願いできません。

 ましてやママ友や家族にはできません。我が家もお金があればそういう心の支えになって下さる個別の先生に見てもらいたかったです。

 子どもは褒めて伸ばせと言いますが、本当は受験生の親も褒めて伸ばさなければならないのかもしれません。

受験に取り組む間には

 受験に取り組む間には何度も心が砕けそうになります。そんな時にしがみつけるようにお教室や塾があって、先生がいるのだと思います。

 「塾なしで合格」というブログはたくさんありますが、僕は塾なしで受験を乗り越えられる自信なんてありません。弱い人間なので真似できません。

 ジャックの学校別クラスの先生や3年間お世話になった体操の先生がいたから受験にしがみついていられました。我が家は庶民なので「塾なし」は甘い響きに聞こえます。

 でも単純に塾費用を掛けたくないという気持ちだけで塾無しを選択してしまっていたら辛い道のりだったと思います。

 もしそれで上手く行かなかったら、「塾に行けば良かった」という思いしか生まれなかったのではないでしょうか。

 そもそも中学受験は、結果次第で試験日程を何パターンも考えておかなければなりません。

 小学校受験でも学校によって受験順の決め方が違い、併願できるかどうかの情報がないとプランが組めません。

 誰のアドバイスも受けずに受験の作戦を考えるなんて僕にはできません。

 もし決まらないまま試験の回数だけが重なっていく状況になったら、何を拠り所にすれば良いのでしょうか。

 普段はほとんどスマホを気にしない妻も、毎年この時期になると生徒からの連絡がないか常に気にしています。

 自分の担当した生徒は「みんな受かれ!」と妻は思っています。

 中学受験を終えられた皆様、お疲れさまでした。我が家は最初から中学受験から逃げているので、最後まで乗り切ったご家庭は本当に尊敬しています。春から楽しい毎日が始まることをお祈りしています。

 大学受験はまだまだ続きます。妻の生徒にも大学受験真っ只中の子が何人かいます。1月から3月までの長丁場です。

 今年度受験の年長さんは、これから講習ラッシュ、模試ラッシュでしょう。

 諦めずにしがみつけば、受験の神様はきっとそのご家庭に一番合う学校と縁を結んで下さいます。僕はそう仰っていたジャックの先生のお言葉を信じています。

 最後まで頑張ってしがみついて下さい。みんなの頑張りが実を結んで、空まで揚がりますように!