共働き夫婦の役割分担。庶民が小学校受験を乗りこえる

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本を読む少女

「男女の時間的負担割合」

 小学校受験に夫婦で挑む場合に重要なのは役割分担です。理想は半々でしょうが、実際にできているご家庭はどれくらいありますか?

 我が家では料理は僕の担当です。劇団で料理係をしていたので得意なのです。でもその他の家事はほとんど妻がやっています。

 女性の方が男性より何かと時間が掛かるものです。男は顔を洗って歯を磨いて髭を剃ればすぐに出かけられます。お風呂から出ればすぐに寝られます。もし夫婦で家事と育児に関わる時間的負担を半々にしたいのならば、男性7:女性3くらいの割合にしなければ平等とは言えません。

 と僕はいつも妻から教育されています。

 でも僕は低偏差値のダメ男なので、どこに何を置いたかも、何を買うのかも、娘たちの学校の用意も、すぐに忘れてしまいます。結局妻8:僕2くらいになっています。

 働くお母さんは大変です。年長になると家庭学習の量が膨大になるためお母さんがパンクしてしまいます。

「共働きといっても」

 人はみんな好き嫌いがあるので、自分が嫌いなことを子どもに教えるのは苦痛です。だから個人のお教室というものがあるのだと思います。苦手なことはプロの先生にお任せすれば良いのです。妻が生業にしている個別指導の役割も同じですね。小学校受験をする共働き夫婦は両方が医者だったりします。そういうリッチな方々の中には教室を掛け持ちしている人もいます。

ゴージャスなお父さん

「教室は必要」

 でも庶民家庭にそんなお金はありません。我が家みたいな中小企業の貧乏サラリーマンと塾講師の夫婦はあまりいないでしょうが、リーズナブルに取り組みたいご家庭はあるでしょう。本音を言えば、お教室に通わずに家庭学習だけで受験したいものです。でも集団でなければ学べないことや、親が苦手な分野が当然ありますよね。そこはお教室に頼ったほうが良いので、我が家でも最低限はジャックに通いました。

 年長の時に受講していたのは「学校別」と「体操」と「聞き取り話し方」の3つだけでした。「総合勉強」は受けていません。取りたかったのですが、7万円もするので取れませんでした……。「学校別」が4万円で「体操」と「聞き取り話し方」が3万円なので、年長時のジャック費用は月額10万円でした。多分他のご家庭の半分以下です。絵画や集団行動観察など取るべき講座はたくさんあって、皆さん受講していました。

 我が家にはそこまで予算がないので、家庭学習でフォローしなければなりませんでした。

「好きなこと」

 夫婦で役割分担するなら好きなものを担当することをお勧めします。好きなことを教えるのは楽しいので怒らずに取り組めます。子どもは怒られて伸びるなんて有り得ません。褒められるから伸びます。嫌いなことを仕方なく教えているから子どもができないと腹が立つのです。怒りながらやるくらいならやらないほうが良いくらいです。子どもは伸びないし共働き夫婦は時間が限られています。

 我が家は基本的に妻がペーパー僕が絵と体操を担当しました。僕はペーパーを教える時は怒ってしまいます。その点妻は普段から教える仕事をしているので、怒らずに教えるのが上手でした。

 書店に行けば小学校受験用の問題集がたくさん売っています。やろうと思えば、お教室には行かずに、家庭学習だけでペーパーを学ぶことも可能だとは思います。でもきっと後悔すると思います。年中の時にペーパーは自分たちでできると判断したために、我が家は大失敗を犯しました。でもその話は長くなるのでまた今度。

「教えるとは」

 文系の妻は算数の分野、特に図形を教えるのは苦手でした。僕も数学は全くできません。高校の頃は赤点でした。ジャックに通わなかったら娘たちの図形の点数は0点だったと思います。問題が解ければ教えられるわけではありません。幼稚園児の問題が分からない大人はいません。何故この問題が分からないのか、どこまで戻れば分かるようになるのかを考えて実践しなければならないのです。親が苦手な分野だと理由を分析することができません。先生方は長年の経験から、どう教えれば子どもが理解するかをよく知っています。子どもに教えるプロだからです。

先生 イメージ

「興味のないものは伸びません」

 好きなことを中心に取り組むと子どもの得意不得意にムラができるので、デメリットもありました。実際に我が家の双子は図形は得意ではありませんでした。

 結局親が興味のないものは子どもも興味を持ちません。図形に強くなるように、ジャックで勧められたパズルやブロック等も買いましたが、結局ほとんど遊びませんでした。こぐまのシーソーやら、賢人パズルやらきれいな状態でしまってあります。

 代わりに国語の分野は得意で、「お話の記憶」は毎回満点を取ってきました。

 潤沢な予算がない以上は全てをまんべんなくというのは不可能です。だから得意を伸ばす方向で考えたほうが良いと思います。

「一番得意なこと」

 娘たちは「お話の記憶」がとても得意でしたが、特別な対策はしていませんでした。絵本の読み聞かせの効果だと思っています。

 我々は文系夫婦なので、特に絵本の読み聞かせに力を入れて取り組みました。妻は国語講師だし僕は役者です。自分たちの得意を一番活かせたのが絵本の読み聞かせです。だから娘も得意になったのだと思います。

 我が家はゴージャスなご家庭と比べてそもそも家が負けています。だからこそ自信を持てることを作りたかったのです。

「面接対策」

 面接の対策も、絵本の読み聞かせを核にして考えました。志望校も国語教育に力を入れている学校を選びました。

 面接時の子どもへの質問で

「お父様とは何をして遊びますか?」

というのは頻出です。聴こえの良い回答を台詞のように覚えさせますが、当然子どもですから本番では何を話すか分かりません。

 せっかく

「お父さんとは休みの日に虫取りに行きます」

と練習していても、

「お父さんとは、いつもスマホで動画を観ています」

と答えるかもしれません。もし本番でそう答えられたらもう……。

 だから面接で答えてほしい事柄は毎日繰り返す必要があります。お父さんと一緒に毎日虫取りに行くのはかなり困難です。でも読み聞かせは毎日できます。

 僕は娘たちが0歳の頃から受験の日まで1日も欠かさず読み聞かせをしていました。妻は図書館のお話会に頻繁に娘たちを連れて行きました。妻が絵本を読み、お菓子を食べながらお話を聴く「お話会ごっこ」は娘たちのお気に入りでした。

座って本を読む

「まとめ」

 共働きのご家庭が小学校受験に臨む場合は夫婦の協力と教室を上手に使うことが必要です。集団行動観察などは家庭で取り組むには限界があります。学校の情報なども教室に通っていることで得られることが多いです。願書にジャックに通っていたことを書いても良いことを知って驚きました。教室に通っていることは学校から見たらマイナスになると思い込んでいたからです。むしろ教室に通って学校別クラスを受講していることはそれだけ熱望していることの意思表明になるので、アピールしたほうが良いとアドバイスされました。ジャックの講演会には校長先生がいらっしゃってお話してくださいます。そのお話をメモしておいて願書や面接の資料として使います。

 何より通うことで親の意識が上がります。僕たちはジャックは親のための塾だと思っています。

 それぞれが得意なことを担当することで、家庭で対策できることが増えます。だからこそ夫婦で協力することが大事なのです。

 僕たちは読み聞かせに力を入れましたが、理系のご夫婦は図形や数に力を入れれば良いのです。我が家が文系に偏ってしまったように偏りができてしまうかもしれません。でも庶民共働きの小学校受験は割り切りが必要です。潤沢な予算で何人も専門の先生をつけているご家庭がたくさんある世界です。それと正面から張り合っても時間の無駄です。もし勝てると思うのならプロを舐めています。

 年中の秋に参加したジャックの学校別研究会で立派なお父様たちをたくさん見ました。見るからに立派で僕には勝ち目がないことを思い知りました。だからこそ絵本の読み聞かせで勝負しようと決めたのです。帰り道に妻にそう宣言したのを覚えています。

 得意なことを中心に取り組めば、楽しく家庭学習に取り組める時間が増えます。それだけ子どもの力もぐんぐん伸びます。

「ゆる受験」

 少し前に「ゆる受験」という言葉がネット上に上がっていましたね。塾代などを極力掛けずに最初から中堅校狙いで「ゆるく受験する」という内容でした。いつの間にか消えてしまいましたね。

 実際に我が家は中堅校に通っていますが、やってる当事者がゆるくやっていたんじゃ駄目ですよね。

 0歳から複数の塾を掛け持ちしてトップ校に合格された方たちから見れば、我が家はゆる受験でしょう。でも僕たちは教室代もやっと捻出して夫婦で協力して精一杯頑張りました。その結果として今通っている学校にご縁を頂けたのです。「ゆる受験」なんて言葉で片付けられたら困ります。

 今回はこの辺で。次回は小学校受験を振り返って失敗したことを書くつもりです。読んでくださってありがとうございました。