双子の場合はどう大変?同じ私立小に合格したいですよね

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ハムスターと少女

「双子が小学校受験をするということ」

 双子受験に挑戦するかどうか悩んでいらっしゃる方は、たくさんいらっしゃると思います。

 今回は、我が家の双子が小学校受験をして感じた、双子だからこその大変さと、それをどのように解決したかをまとめていきます。弱点も考え方を変えれば利点となりますよね!

 

 既に受験に取り組んでいらっしゃる方にも、これから取り組もうかと考えていらっしゃる方にも、何かしらの参考になれば幸いです。

 それではよろしくお願いします。

「双子の受験、こう大変」

 

 双子で小学校受験に臨むには、やはり不利な点がたくさんありました。ですが、その不利を充分に補える有利な点もたくさんあったと感じています。

「競争が激しい」

 まず、双子の受験は「狹き門」です。

「双子ってたくさんいるんですね……」

 僕は娘たちが生まれるまで、双子というものは珍しいと思っていました。ところが、妻が妊娠して、お腹の子どもが双子だと分かると、急にまわりにいる双子が目に入るようになりました。そうしたらどうでしょう。あっちにも双子、こっちにも双子!なんと、街の中には双子がたくさんいるのです!双子の親御さんなら、皆さん経験されているのではないでしょうか?人間、自分に関わりのないものは目に入らないのだということを、改めて実感しました。

双子がいっぱい

 新年長になって、年中まで通っていた校舎とは、違う校舎で行われている学校別の授業に通いはじめました。すると、そこにも双子がたくさんいました。僕達が第一志望と考えていた小学校の学校別授業は、土曜日に2コマ、平日に3コマの計5コマ開講されていました。僕達は土曜の午後の授業を受講していましたが、そこには我が家の他にもう1組双子がいました。その他、実際に見かけただけでも土曜の午前に2組、土曜日だけで4組です。他の曜日は見ていませんが、やはり何組かいたでしょうし、受験するのは学校別を受講しているご家庭だけではありません。当然ジャックに通っているご家庭だけでもありません……。

「双子の倍率」

 その学校別授業では、だいたい月に一回のペースで、授業中に親だけ別室に移動して「プチ保護者講座」を開いて下さっていました。そこでは、近年の入試の傾向や、家庭学習の取り組み方、その学校に特化した願書の書き方や、願書の準備のための取り組みなどを教えていただきました。質問もできるので、ある時僕は思い切って質問しました。

「先生、例年何組くらいの双子がご縁を頂いているのでしょうか?」

「そうですねえ、たしかにそれは気になりますよね。私がこの学校別を担当して30年になりますが、その間毎年1組の双子ちゃんがご縁を頂いていらっしゃいました」

……。

……1組?せ、先生、1組だけですか?

……えー!?

 だって、僕が確認しているだけでも4組いるんですよ!平日に受講しているご家庭や、学校別を受講せずに受験するご家庭も考えたら、ジャックだけでも8組くらいはいそうですけど……。こぐま会とか伸芽会とか他の個人のお教室とか、全部合わせたら10組は軽くこえるのではないでしょうか?

 我が家が第一志望と考えていた小学校は、例年4倍前後の倍率でしたが、双子に限っては10倍を超える倍率になるわけです!そりゃそうですよね……、1学年に何組も双子がいても仕方ないですから。

 このように、双子であるということで急に倍率が跳ね上がります。

「学校によって双子のとり方は違う」

 一般的にキリスト教系の学校は二人一緒に合否を出す学校が多いようです。容赦なくバラバラに合否を出す学校もあるようで、実際に双子のお嬢様で片方だけ合格したため、姉妹で別々の小学校に通っていたという方もいるそうです。二人一緒に合否を出す学校でも、点数の低い方で判断する学校もあれば、二人の平均で判断するという学校もあります。同じ学年に双子が2組以上いる学校もあるそうで、学校によって本当に様々です。

 因みに娘たちの学校は、娘の学年で双子で通っているのは我が家の娘たちだけです。

「やはり現実は厳しかった……」

 ジャックの毎年公開される合格者の数を見ていて、僕も妻もジャックに通っていれば合格するのではないかという錯覚に陥っていました。ですが、いざ年長になって都心の教室に通ってみると、いかにもゴージャスなご家庭や、双子の合格が狹き門であるという「現実」を見せられて、意識が変わりました。

ゴージャスなお父さん

 正直、僕達は年少からジャックに通い、特に体操は娘たち2人とも良く出来るほうだと思っていました。とんだ勘違い夫婦です……。

 だから、割と自信を持って学校別の授業に乗り込んだのですが、他のお嬢様たちと比べると、ペーパーの出来やお行儀が……。

 だいたい、我が家の娘は怖いもの知らずで、はちゃめちゃです。良く言えば元気な双子ですが、外でも平気で喧嘩はするし、二人の辞書に「静か」という文字はありません。さすがに、授業中は一生懸命静かにやっていますが……。

元々品のない庶民の夫婦が育てている訳です。周りのゴージャスなお嬢様たちは、品が服を着て歩いているようなのに……。うちの双子はなんだか貧乏くさいし……。何度も心が折れかけて、小学校受験を辞めようかとも考えました。ですが、夫婦でたくさん話し合い、折れかけた心を持ち直しました。それは、やはり中学受験はもっと大変だということがまず1つです。

「それでも我が家には小学校受験しかない」

 私立中学には偏差値があります。双子のどちらもが同じ偏差値ということは考えにくいので、必ず志望校に差が生まれます。それは大変だし、家全体を考えてもあまり良いことだとは思えませんでした。

それに、双子で同じ私立の学校に入れられる機会は小学校受験しかありません。だいいち、僕は元役者です。学歴なんてものはありません!高2の数学の試験の点数を全部足しても100点未満でした……。中学受験には本当に役に立ちません。

 そもそも、小学校受験を考えたのは、妻が仕事柄、私立小学校に通っているお子さんをたくさん見てきて、私立小学校の素晴らしい教育を娘たちに受けさせたい、高校までは受験を考えなくても良い環境で、自分の将来をゆっくり考えてほしいという理由からです。

 それに、年少から小学校受験に向き合ってきて、我が家なりに全力投球をしきました。そこまでけっこう大変でした。小学校の6年間を、また受験が控えている状態で送ることは、正直言ってまっぴらごめんです!

 そんなわけで、最終的に今娘たちが通っている小学校にご縁を頂いたわけですが、やはり、途中で諦めずに乗り切って良かったと思っています。今はものすごく楽しい毎日です。

 実際にたくさんのライバルのご家庭を知って、実際に双子の合格数を知ったことで、僕と妻の考え方に変化が生まれました。

「第2志望校への取り組みを重要視したこと」

 それは、おかしな言い方ですが「第1志望が2つになった」ことです。小学校受験に関しては偏差値がないので、トップ校、中堅校といった分け方が適当かと言われると疑問ではありますが、でも一般的にはやはりそういう分け方はされてますよね。

 我が家も当然、学校別授業が設定されている伝統校を第一志望にしていました。

 ですが、双子で合格するということは、その学校の双子受験者の中で1番にならなければいけないということです。我が家は庶民なので、そもそも家自体が不利です……。

1番

 双子の受験は狹き門なのだから、どこでもご縁をいただけたら素晴らしいではないかと、強く思えるようになりました。それで、元々の第一志望校は、憧れのチャレンジ校として全力で目指すけれども、現在娘たちが通っている学校を(いわゆる中堅校になると思いますが)実質的な第一志望校として考えることができるようになりました。学校別クラスの先生が「神様は、そのご家庭に一番合った、一番楽しく通える学校にご縁を下さります」と仰っていました。実際に通っていて、本当にその通りだと思っています。

 小学校受験は願書を書いたり、面接の準備をしたり、親がやるべきことがたくさんあります。願書を書くにも、その学校のことを調べて準備しなければなりません。それは、その学校に対する愛がなければ気持ちが入りません。その学校のことを、子どもたちが好きになるように持っていくのも親の重要な仕事です。

 僕も妻も、良い意味で開き直ることができ、楽しく準備することができたように思います。もし一人の子だったら、元々の第一志望校の合格にこだわり、もっと大変な受験になっていたのではないでしょうか。それにもしかしたら準備が甘くなって、今通っている学校にもご縁をいただけなかったかもしれません。

「体調管理やモチベーションの維持が困難」

 小学校受験に向けて訓練されている子どもたちはみんな立派ですが、やはり幼い子どもです、ちょっと機嫌が悪くなると、如実にパフォーマンスに影響します。親としては、試験当日は勿論、模擬試験や大事なお教室での授業の時に、最高のパフォーマンスで臨んで欲しいと思っていますが、人間ですから双子の両方が同時に最高の状態ということは有り得ません。だいたい片方が良いと片方が悪いものです。

 とくに風邪をひいて熱など出すと最悪です。ずっと一緒にいるので、必ず移ります。我が家はいつも決まって下の子が先にダウンして、治ったタイミングで上の子がダウンするというパターンでした。今もそうです。だから快復するまでとても長い期間を要します。

 もし、試験当日に片方の体調や機嫌が悪かったら、片方がどんなに良いパフォーマンスを発揮しても足を引っ張られてしまいます……。しかも、体調不良は長引くことを考えると、入試本番前の3ヶ月位の期間は、絶対に体調を崩させるわけにはいきません。年長の夏以降、僕も妻もそれに関しては常にビクビクしていて、体調管理とご機嫌取りにはずいぶん気を遣いました。

「小さくても女です(笑)」

 特に女の子はおマセさんですから、幼稚園児なのに立派な女です。男の僕からすると本当に面倒です……。片方が褒められたり、ジャックでご褒美のメダルをもらったりすると、貰えなかった方は大いに拗ねます。拗ねるとなかなか戻りません。せっかく良く出来たのですから、本当は大いに褒めながら家に帰りたいのです。ですが、そこは男だからなのか、僕の性質か、拗ねている女を放置しておけません。よく出来た方を褒めるより、拗ねている方の機嫌を取ることを優先してしまいます……。双子の姉妹は仲の良い友達でもありますが、ライバルです。自分が褒められないで、相手だけ褒められるというのは面白くないのです。

「心の教育になる」

 しかし、それは心の教育になります。目の前にライバルがいることで、自分が負けた悔しさを我慢し、次に頑張るバネにする心を育てる機会に変えることができます。小学校受験は全てが勉強に変えられます。親の考え方次第です。常に同じ課題に取り組み、常に比べられている状況にある双子だからこそ「悔しい」という感情が早く育つと思います。「悔しさ」は人生において重要な気持ちです。悔しさがあるから、人はより上を目指せるのです。僕は悔しいという感情があまりありません。「妬み」や「嫉妬」「相手に対する怒り」「相手より得をしたい」などは負の感情ですが、人間にとって大切な感情です。甘やかされて、牧歌的に育った僕には、そういった感情があまりないのです。だから「人の気持ちが分からない」と、いつも妻から言われます。実際に役者をしていた頃から、それは僕の悩みでもありました。もう発達障害レベルです……。だから神様は、我が子を双子にしてくださったのかもしれません。

 自分の中に負の感情があることを、早い段階で、しかも自然な形で知ることができるのは、双子の良いところだと思っています。

「何でも倍になる」

双子とパン

 分かりきっているので、今更書くことでもないですが、これが正直庶民にとって一番のネガティブ要素ではないでしょうか?お教室代も倍、服代も倍、ご褒美も倍、気の遣いようも倍です。同じものが2つ必要なので、家の中はすぐに物だらけになります。

 盲点だったのが、家庭学習にかかる時間です。これも倍必要です。

「家庭学習の時間が倍?」

 要するに、ペーパーの直しや、製作で手伝う時に、同時には教えられません。片方に教えている時は、もう一人は待ちになってしまいます。1時間の家庭学習でも、一人に掛けられる時間は半分です。

「待つ練習として利用しました」

 ですが、やはりこの「待つ」という事も勉強になります。小学校受験では「きちんと待てる」ということも重要な評価のポイントです。待てない子は駄目です。ペーパーの時間は、相手の番が終わるまで静かに待つことの訓練になりましたし、制作の場合は、待っている間に他に勧められる作業はないか、考える訓練に変えることができました。

「まとめ」

 このように、双子であることの弱みは、一言で言うと「親の思い通りに事が進まない」ということです。

 ですが、小学校受験は親の教育のあり方を見られています。試験の日と面接の日に、

「我が家では6年間こんな子育てをしてきました。だからこんな娘になりました。子育てをしながら、親もこのように成長しました。是非我が家の姿をみて下さい」

と、6歳時点での子育ての集大成を、学校に見ていただくのが小学校受験です。子育てそのものだから、親の考え方1つで弱点も利点に変えることができます。

 それに、不利な点も確かに多いですが、それを補って余りある利点もたくさんありました。

 今回はこの辺で。読んでくださってありがとうございました。

 

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2件のコメント

双子お受験を今月終えた者です。去年受験を考え始めた時に、こちらのブログ記事に行き着き、何度も読ませていただきました。「一度に終わって良いね」の言葉に何度も笑顔で頷きましたが、二人一遍に乗り越える苦労は双子親にしか理解できないな、と勝手に同志と感じておりました。我が家の双子娘も決して同時に体調面・モチベーション面のピークが来ることはなく、試験直前まで整えることに夫婦で必死でした。それでも学校側がきっとお互いの良いところを見て、お互いの不足を補うようにトータルで見てくださったのか、ご縁をいただくことができ、それも双子受験ならでは、と思いました。

受験ブログはたくさんあっても、双子のケースはなかなかありません。色々と参考にさせていただき、どうもありがとうございました。

双子母 様
メッセージありがとうございます。
おめでとうございます!大変な受験、お疲れ様でした。
いざ通い始めると、双子ならではのトラブルなども多々ありましたが、双子だからという安心感がやはり大きかったです。
楽しい日々だと感じております。
双子母様の双子ちゃんが、楽しく学校に通われることをお祈りいたします!

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