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小学校受験はペーパーができれば良いというわけではないところが1番難しいところです。当日の立ち居振る舞いなど親も子も全てを見られているように思えて気が抜けません。
いくらお教室で色々なお話を聞いていても、結局は審査の基準はブラックボックスです。だから、完璧を目指して準備するしかありません。面接や入試で失敗をしてしまうと、不安で頭がいっぱいになります……。
「試験当日」
今通っている学校の試験当日は最低でした。始まる前に配られたゼッケンを付けているときです。下の娘が先生の前で、
「なにこれ、変なゼッケン、嫌だな!」
と言ったのです。しかも教室中に響き渡る大きな声で。……終わったと思いました。前日の第一志望はただでさえチャレンジでした。ジャックの先生から双子の合格は一組と聞いていましたから。だから我が家はこの第2志望校に賭けていました。3年間という時間も、使ったお金も全部無に帰したと本気で思いました。
きっと周りの親御さんたちも「これは落ちたな」と思ったでしょう。試験を待っている間、僕も妻も廃人状態でした。
入試当日にピークを持っていきたい。全ての受験生とその親の願いです。小学校受験は子どものピークを本番に合わせてコントロールすることも親の役目です。
ペーパーや製作の習熟度、立ち居振る舞い、体調、モチベーション。更に幼児ですからご機嫌という小学校受験ならではの要素もあり、その全てをコントロールするのは至難の技です。
我が家は双子なので、二人を同時に絶好調の状態に持っていくのは本当に難しかったです。というよりほとんど不可能です……。
幼児期の娘たちには良い時期と悪い時期が交互に来るというバイオリズムがありました。普段なら片方が悪い時期でも「いつも順番だし、問題ない」と安心材料になっていたので、双子の利点と考えられました。
ですが、入試の時はそう思えません。ちょうど入試直前には下の子が悪い時期に入っていました。
「試験前の悩み」
入試直前の頃は、二人とも軽いチック症が出ていました。チック症が出ていると、親が追い詰めていると思われるのではないかと心配でした。
ですがジャックの先生に相談したところ、発達期の女の子は出る子が多く、大半は成長によって消えてしまうので、心配いらないと仰ってくださり安心しました。
また、これは二人ともに共通していましたが、手を洗いません。
「手を洗いなさい」
と言うと
「洗ったよ!」
と怒ります。我が家は狭いので、洗面台の水が出る音はどこにいても聞こえます。
「水の音がしてないよ!」
と言うと、しぶしぶ洗いに行きます。水の音が聞こえると僕も安心します。
ある日のジャックの授業中に、先生が
「では、みんな順番に手を洗いに行きましょう」
とおっしゃいました。
子どもたちは元気に返事をして席を立ち、ちゃんと並んでいます。娘たちも良い子らしいお返事をして、ちゃんと並んでいます。
娘たちが手を洗う番です。すると二人とも水だけ出して、流れる水を眺めています。3数えます。まだ手は洗っていません。蛇口を閉めました。席に戻りました。
お嬢さん、なんでそんなに手を洗うのが嫌なのでしょうか??
一応我が家は伝統系の女子校が第一志望です。お行儀は一番大事です。持ち物に「ハンカチ」と明記されています。手を洗ってスカートでふく子は✕です。予算の都合で受講していませんでしたが「女子校行動観察」という講座まであるくらいです。手を洗わない子なんて論外です。
水の音だけ聞いて安心していた僕が馬鹿でした。娘に悪知恵をつけただけでした。本来なら娘と毎回一緒に手を洗って、手の洗い方、拭き方を教えて習慣づけなければいけませんでした。完全に躾の失敗です。
試験前に分かってまだ良かったです。それからは毎日一緒に手を洗いました。
今でも娘たちは、何故か手を洗うのが嫌いです。でも入試が終わってしまうとまあ良いやと思います。成長したらきっとちゃんと洗います。
「第一志望の面接で」
面接の待ち時間に子どもに何をやらせるかは、どのご家庭も懸念材料だと思います。我が家は折り紙を持っていきました。直前にジャックで鶴の折り方を習って丁度良いと思ったからです。
ところが、娘たちは二人とも鶴が折れずに泣き出してしまいました。面接が始まるまでに機嫌が直るかヒヤヒヤです。とりあえずトイレに連れていきました。
ところが機嫌が悪いからなのか、そもそもなっていないのか、廊下に立っている先生に挨拶もしません。まあそもそもの問題なのでしょうが、その時は折り紙を呪いたい気持ちでした。
我が家は面接には力を入れて取り組んでいました。聞き取り話し方も受講していました。はじめて会う先生とも話せるように、講習の面接の授業はいつもと違う校舎で受講していました。毎晩23時近くまで面接の練習をしていました。
それでも、本番の面接では蚊の泣くような声でこそこそと話します。小学校受験の難しさが身にしみました。
「終わってみれば」
結局試験当日に暴言を吐いた学校からご縁をもらって、今楽しく通っています。
でも入試は一発勝負ですから、小さな失敗でもメンタルに与える影響は大きなものです。
第一志望だった学校は、そもそも我が家なんてお呼びじゃなっかたのだろうと思っています。双子の受験者も何組も見かけました。その中でど庶民の我が家が1番なんてありえません。
ですがその学校を目指していたから、実質本命の学校からご縁をいただけるぐらいに力をつけられたのだと思います。ご縁を頂けて本当に幸せです。
試験当日はトラブルもたくさんあると思います。幼児ですから失敗もします。はじめて小学校受験に臨む親御さんも大勢いらっしゃいます。トラブルも失敗もないご家庭のほうが少ないでしょう。
きっとそんなことは学校の先生方も分かっているのだと思います。ちょっとした失敗なんてきっと平気です。積み重ねた準備は裏切りません。我が家が合格できたことが証拠です。
皆様に良いご縁がありますように。
今回はこの辺で。読んでくださってありがとうございました。
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