中学受験回避を考えた理由

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 僕のブログのテーマは中学受験回避の小学校受験です。毎回中学受験の大変さを書いて、小学校で決まって良かったと書いてはいますが、なぜ中学受験を回避しようと考えたのかを整理してみました。

見つめる少女

 今回は費用的なことは置いといて、メンタル的な面から考えた中学受験を回避したい理由を書いてます。

妻の仕事柄

 我が家は本来なら収入的に公立の学校に行ったほうが良い世帯です。

 妻の仕事は中学受験の集団塾のフォロー、私学生の家庭学習のフォローが主で、大学受験も少し担当する個別指導塾の国語講師です。

 個別指導なので、生徒さんとも色んな話をするし、生徒の親御さんとも話します。家庭教師の仕事もしています。業務上プライベートなことを聞くこともありますし、こちらも話します。当然

「先生のお子さんはどちらの学校ですか?」

とも聞かれます。

 お客様方は私立の学校に通わせていらっしゃる医師や経営者の方がほとんどなので、私立や国立に通っていることが当たり前の世界の方々です。公立の学校に通っている生徒さんはほとんどいません。だから信用の問題もあり

「うちの娘は公立です」

とは言えないし、言いたくないでしょう。子どもがいることを隠して働かなければならなくなります。お客さんの立場で考えれば、自分の娘を受験で成功させられない先生に我が子の受験を任せて良いのだろうかと思われるのではないでしょうか?

 そのため我が家は娘を私立に入れなければなりませんでした。僕は地方出身で当然高校まで公立なので、私立小学校なんて自分には全く関係のない世界だと思っていましたが、妻から

「私立に通わせていないと、私はまともに仕事ができない」

と言われれば納得せざるを得ません。

 妻は高齢出産の部類に入るので、公立小学校では浮いてしまうのではないかという心配もあったようです。それもそう言われれば理解できます。

 我が家は双子です。最初は国立も考えましたが、双子で揃って抽選に通るような強運を僕は持ち合わせていません。自然と選択肢は私立だけになりました。

 中学受験ではなく小学校受験を選択したのは、妻が中学受験の仕事をしていること、受験のために仕事を制限するなら早いほうが良いと考えたこと、そして娘が双子であることの3点です。

中学受験の仕事をしているからこそ

 よく僕は、低学歴のため中学受験には役に立たないとブログにも書いています。妻の側から考えても、中学受験は我が家にとってネガティブな要素がいくつもあります。

 妻が塾講師をしていることを知っている僕のお客さんは

「お母さんが勉強をみられて羨ましいね」

とおっしゃいます。仕事で中学受験の指導をしているのだから、自分の子どもは見られて当然と思われるのは当たり前かもしれません。

 ですが中学受験の仕事をしながら娘の中学受験をするのは、精神衛生上良くないであろうことはさすがに無知な僕でも分かります。娘と同い年の生徒さんを担当する可能性もあります。妻は御三家や早慶を受験するような優秀な子も毎年担当します。娘も同じくらい高い偏差値を持っていれば良いのでしょうが、その可能性は低いと考えるべきです。

 妻は国語ができても算数や理科はできません。かと言って、算数と理科を個別指導の先生にお願いできるような資金がありません。

それに中学受験の仕事をしていて

「うちの子は優秀だから偏差値も軽く60超えるに違いない」

と思ってる方がどうかしてます。

 娘と同じ学校を志望している子を担当するかもしれません。どう考えてもまともに務まるとは思えません。娘に対しても「より偏差値の高い学校」と追い詰めてしまうことは目に見えています。

 小学校受験に関して妻は門外漢ですし、仕事で小学校受験を担当することもありません。中学受験の場合のような仕事上の精神的なストレスはありません。

 受験の準備を始めた当初は中学受験でも偏差値が上位の小学校に入れたいと考えていました。

 でもそのような学校は数えるほどしかありません。雙葉、白百合、早慶、青山、立教系、学習院くらいじゃないですか?それらの学校は庶民の我が家が目指して行ける学校じゃないと気付いて目標を変えました。

 年少からジャックに通っていたから気づけたのだと思います。

「我が家は庶民だから、年中までは家庭学習で頑張って、最後の1年だけお教室に通おう」

としていたら、周りが見えずにそれらの学校に特攻して見事玉砕していたに違いありません。

 早めに(実際は特に早いわけじゃありませんでしたが……)準備を始めたので、

「中学偏差は重要ではない。確実に私立に行くほうが大事」

と、考えを切り替えることができました。

仕事を制限するタイミング

 中学受験の家庭でのフォローは大変です。働いているお母さんが子どもが6年生になって仕事を辞めたり、制限したりする例を妻はたくさん見てきています。

 娘の中学受験には妻も本気になるでしょうから、我が家の場合6年生ではなく4年生くらいから仕事を制限して娘の中学受験に挑むでしょう。

 娘が中学受験をする頃には妻はアラフィフです。そのタイミングで2年も3年も仕事を中断してしまったら、せっかく中学受験が終わっても元通りには仕事に戻れません。

 実際我が家は僕の収入だけでは生活すら成り立ちません。だからと言って妻が働いたままでは中学受験はうまくいきません。

 その点小学校受験は、娘が幼児のため僕も妻もそもそも仕事を制限していました。祖父母の年齢的にも、たくさん頼ることができました。小学校受験が終わった時、妻はまだ40代前半で僕は30代でした。それから仕事を頑張ろうと思っても充分な時間が残されています。

 実際妻の仕事は経験が売りになるため50代が1番ピークの年齢です。ピークの年代までに実績を積むことは十分可能です。

 共働き家庭こそ小学校受験が良いと僕が考えているのは、受験が終わった後の時間的な猶予があるという点が1番大きいかもしれません。

 仕事を制限するには、職場に

「我が家は受験をします!」

宣言しなければなりません。妻は中学受験の仕事をしているから、中学受験では絶対に成功させなければならないという使命をもって受験に臨むでしょう。

 失敗したら職場に堂々と戻れるでしょうか?それを想像したら、中学受験はどうしても回避しなければならないと考えたのだと思います。

子どもたちの心

 双子の場合それぞれの持ち偏差値の差や、進学先の差がその後の生活に影響を与えるのではないかとも考えました。

 小学校受験も中学受験も、多めに願書を出して合否の結果次第で受験する学校を変えます。

 小学校受験の場合も合否の結果をその都度子どもに伝えるか悩みましたが、あくまで親がコントロールできることです。幼稚園の年長と小学校6年生は違います。小学6年生に隠すことはできません。

 上の子と下の子で進学先に差が生じた場合、その後の姉妹の関係はギクシャクしてしまわないでしょうか?双子は確かに大変仲が良いですが、当然それぞれにプライドがあります。

 小学校受験の時も片方だけ合格したらどうしようか悩みました。二人揃ってご縁を頂けた学校に行こうとは決めていましたし、受験する学校は全て良いと思える学校を選んだつもりです。

 でも本音では、当然行かせたい順位がありました。もし一人だけがより行かせたい学校にご縁を頂いていた場合、そこを蹴って二人で通える学校を選択できたでしょうか?

 我が家は幸運にも二人揃って第二志望の小学校にご縁を頂けました。神様に感謝しなければなりません。

 受験はいつか必ず通る道です。それをどの年齢で臨むのかはとても重要なことだと思います。我が家はそのタイミングは早いほど良いと判断して、小学校を受験しました。

 今はその判断が正しかったと思えています。今後もそう思い続けられるように願っています。