ペーパーの学習。体験することが大事

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眼差し

 小学校受験の学習における家庭での取り組みは、体験が重要視されていました。ジャックの保護者会では「ディズニーランドより近くの公園」と教わりました。娘の通っていた幼稚園はモンテッソーリ教育を実践していて、よく園長先生が「自分の手と身体で体験して学んだことは忘れない」と仰っていました。

体験すると覚えやすい

 例えば椿と山茶花の違いを文字で暗記するより、実際に椿と山茶花を観るほうがしっかりと記憶に残ります。この2つの花は小学校受験の理科的知識のペーパーによく出ていたので、幼稚園の行き帰りに娘たちと探しました。

 僕は小学校受験のペーパーに取り組むまで、椿と山茶花の違いなんて知りませんでした。

 幼稚園児が学ぶ知識なんて当然自分は全て持っているだろうと思っていましたが、実際にはそんなんことなくて、小学校受験に取り組んで自分が無知だったことを知りました。

 

 僕は小学校受験をしなくても、絵本の読み聞かせはたくさんしたでしょうし、娘たちと絵も描いて歌も歌っていたでしょう。僕と妻の興味があることだからです。でも家庭菜園を作ったり、花の図鑑を片手に公園で花探しをしたりはしなかっただろうと思います。小学校受験をしたことによって偏りなく子育てをする機会を得ることができました。振り返ると実際は親の得意なことにだいぶ偏ってしまいましたけど。全てをまんべんなくというのは本当に難しいです。それでも小学校受験に取り組んだ子のほうが運動、勉強、芸術ごと、理科的事柄とバランスよく育っているのだろうと思います。

中学受験でも体験が大事

 我が家は妻の仕事柄、中学受験の個人塾を経営されてる先生のブログなどをよく読みますが、どうやら中学受験でも体験が大事になるようです。

 勉強のできない僕からすると、中学受験は紙のテストができれば良いんじゃないかと思ってしまいます。そこで、妻に聞いてみました。

 妻は国語のことしか分かりませんが、中学受験の生徒で一番苦労するのは知識なのだそうです。見た経験がないため三和土や縁側、仏壇や蚊取り線香などの名詞が分からない子がたくさんいるそうです。

 親御さんは自分の子どもがまさか蚊取り線香を知らないなんて思っていません。現代の東京で三和土のあるお家の方が珍しいですから、子どもたちが見たことがないのは当然です。

 だから物語文で「おばあちゃんが三和土に上がって〜」という文章が出ても理解が出来ないのですが、親御さんは我が子は当然三和土くらい知っていると思い込んでいるようです。だから「なんでこんなことも分からないの?」と怒ってしまうそうです。

 僕自身三和土は知っていますが、どの年齢のどのタイミングで知ったのかと聞かれたら覚えていません。当然実家にも祖父母の家にも三和土はないので、アニメやドラマで観たから知っているのかもしれません。

 僕の親の世代はテレビ依存世代なので、実家に帰るといつも不必要にテレビがついているし、僕が子どもの頃もいつもテレビがついていました。その反動からか大人になってからはほとんどテレビは観ません。

 子育てに対して意識が高い親ほど子どもにテレビを観せないのではないでしょうか?

 教育にテレビが良いとは少しも思いませんが、映像からいつの間にか得た知識というものも僕達親の世代はそれなりに持っているのだろうと思います。だから我が子も知っていて当然だと思い込んでしまうのだと思います。

 いくら本を読んでいても、観たり触れたりしたことがないものはただの文字でしかありません。実はそれがなんなのかを知らずに読んでいる子どもが非常に多いそうです。

本好きの落とし穴

「うちの子は本が好きだから国語は安心」

と思っているのは危険なようです。親は子どもが熱心に本を読んでいると安心しますが、実は中身をさっぱり理解していないということがあるようです。

 だから、小学生の間は親が読み聞かせをしてあげたり、子どもに音読をさせることが必要なのだそうです。国語だけではなく社会や算数の問題文も親が読んであげると良いそうです。そうすることによって、子どもが知らない言葉を親が共有することができます。

 知らないことは体験を通して覚えるのが一番良いです。蚊取り線香や仏壇は簡単に実物を見ることができます。農作業を体験させることもできるでしょう。

 小学生に向けた民間の体験事業もたくさんあって、娘の学校にも案内が来ます。高額でとても参加させられないものが多いのですが、リーズナブルな体験ツアーには我が家も参加させています。

 親が体験させられる事柄は限られているので、そういった民間企業の体験ツアーはニーズが多いようです。

 小学校受験を経験している親御さんは子どもの学習には体験が必要なことを肌で分かっているので、中学受験においても体験が大事なことをすんなり理解できるようです。

中学受験に必要な体験は

 一口に体験と言っても、小学校受験で必要な体験と中学受験で求められている体験とは全く違います。

 公園に行って季節の花を探したり、季節の行事を家庭で行ったりすることは中学受験でも必要なようです。

 更に多くの中学受験の記事では歴史的な名所を実際に観に行ったり、地方の特産品を実際に食べてみたりという体験をするように勧めています。

 妻の生徒にもそういった体験をするために家族旅行をしているご家庭がいくつもあるようです。

 5年生、6年生になると休日は塾のテストや学校説明会などで余裕がなくなるので、「体験が大事だ」というようなゆとりはなくなってきます。

 結局早い段階から受験に取り組んでいるリッチなご家庭の子が中学受験でも強いということなのでしょうね。

 大変だなと思います。

 我が家は共働きの庶民夫婦で、さらに夫婦揃って土日が休みという仕事ではありません。僕も妻も休みは不定期ですし、夏休みや冬休みは妻の仕事の繁忙期です。家族みんなでまとまった休みを取って旅行に行くことは困難です。

 経済的にも毎年毎年全国津々浦々の歴史的名所に連れて行くことは僕にはできません。受験に体験が大事だと分かっていても、何もさせてあげられません。

延長線上かプラスαか

 小学校受験で必要な体験は、野菜を育てる、生き物を飼う、季節の花を探す、行事をする、海に行く、山に登る、芸術に触れるなど幼少期の情操教育の延長線上にあるものです。逆にそれらを一切やらないという方が問題があることで、小学校受験に取り組まなくてもやることです。工夫次第でお金を掛けなくても取り組めます。

 小学校受験をするなら意識的に「全部」に取り組む必要があるというだけです。僕がずぼらだったので取りこぼしがたくさんあって、後悔していることが多いのです。

 小学校受験で成功されている立派なご家庭は、きっと全部にまんべんなく取り組まれたのでしょう。

 中学受験で必要な体験は普通の子育てのプラスαです。

 それに小学校低学年の子どもは中尊寺金色堂よりもディズニーランドに行きたいはずですが、我慢させなければなりません。現に妻の生徒さんたちも、高学年になるとみんな何かしら我慢しています。好きな習い事をやめたり、遊びを我慢したり。

「中学受験が終わったらディズニーに行くんだ」

と楽しみにしている子が多いようです。

 歴史的な名所などを観て楽しめるのは中学生以上になってからでしょうし、遊園地などに親と行って楽しめるのは小学生の間です。意外と幼稚園以前ではジャックで言われる通り「遊園地よりも近くの公園」の方が子どもも楽しいのではないでしょうか?

 記憶にあまり残らない幼少期に遊園地に行って、本当に行きたい小学生の間に我慢しなければならない子はたくさんいるのだと思います。

 僕も妻も興味がないので、我が家は同じお金を使うならディズニーよりも劇団四季を選んでしまいますが、やはり娘たちはディズニーに行きたいようです。近々連れて行かなければと思っています。そう思えるのも中学受験がないからです。

感情の体験

 体験は知識的な事柄だけではありません。物語文を解くために感情の体験も必要です。

 小学校受験のお話しの記憶には「良い子」しか出てきません。

 ジャックの学校別クラスで、「バスや電車でお年寄りに席を譲る」という宿題が出たことがあります。

「どうぞ」

と声をかける勇気や譲ったあとに「ありがとう」と言われてどんな気持ちになったかを体験させるためです。

 ところが、中学受験の物語文には人間の負の感情もたくさん出てきます。妬み、恨み、悪意などです。

 最近の傾向だと私立を受験するような富裕層が関わらない、貧困の子や団地での暮らしを描いた文章が出題されます。「団地」が何か分からない生徒は本当に多いのだそうです。

 僕は一人っ子です。妬みの感情も競争心もあまり持っていません。役者をしている当時、そういった人の気持ちが分からずにとても苦労しました。

 我が家は妻が働きたかったことと、経済的な理由から子どもは1人しか作らないつもりでした。だから、双子にしてくれたことを神様に感謝しています。確かに二人分なので予想していたよりもお金はたくさん掛かります。でも、それ以上に得られた恩恵の方が多いです。

 娘たちは日頃からお互いに妬んだり、嫉妬したりで喧嘩のオンパレードです。もし一人だったら育たなかったであろう感情がしっかりと育っているように思います。

 帰国子女もたくさんいます。留学経験も当たり前になってきています。海外生活を体験している子は有利でしょうから、大学のAOや推薦入試も我が家には高嶺の花です。

 考えれば考えるほど、我が家は小学校受験が唯一の受験機会だったと思わされます。

 今回はこの辺で。読んで下さってありがとうございます。