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親の面接用の服や子どもの受験用の服など、小学校受験に関わる費用は色々あります。
我が家は娘たちの服は手作りで、僕も妻も面接用の服は買わなかったのでお金をかけませんでした。
ですが受験時、特に年長の頃は金銭感覚が麻痺していますから、必要だと思った教材や体操の練習用の器具はポンポン買っていました。通塾に要する交通費や駐車場代、お教室に行った日の食事代など細々した出費も結構多く、後で計算したらかなりの金額で驚きました。
一番高額なのは
でも一番高額なのはやっぱり「お教室代」です。
僕のブログのタイトルから、我が家が「塾なし」もしくはほとんどお金を掛けずに小学校受験をしたとイメージされるかもしれません。
残念ながら我が家は真っ当にジャックに通い、双子だったこともあり結構な金額を小学校受験に使いました。
それでも個人のお教室には通ってないですし、ジャックもケチって受講していたため一人あたりで見れば平均的な金額の半分以下だと思います。
因みに我が家の年長の頃のジャック代は、学校別4万円、聞き取り話し方3万円、受験体操3万円でざっくりと一人頭月額10万円です。
普通は総合べんきょうを受講するでしょう。総合べんきょうは7万円です。学校別も我が家が通っていたのは隔週2時間のクラスです。一般的だったのは毎週1.5時間のクラスで5万円でした。毎週2時間の学校別は7万円です。聞き取り話し方や集団行動観察や絵画などの副科目のクラスは大体どれも3万円でした。
ジャックをメインの教室にしているご家庭の平均講座数は、総合べんきょう+体操+学校別(毎週1.5H)+副科目1+副科目2くらいでしょうか。金額は税抜きで千円単位は切り捨てて書いているので、ざっと月額25万円と言ったところだと思います。
これに年長は冬期講習、春期講習、GW講習、夏期講習、秋期直前講習があり、模試が加わります。我が家はそれぞれの季節講習で2〜3ずつ講座を取っていました。
金銭感覚が麻痺するのも当たり前ですね。お母様同士の立ち話を聞いていたら
「春期講習50万になっちゃった!」
と言っていた方がいました。春の講習で50万は凄いですが、夏期講習は学校別講習が前期後期合わせて20万なので50万くらい使う方はザラかもしれません。
我が家は当然そんなに取れませんでした。
妻が塾業界で働いていますし「塾なし」で受験に臨むことは不可能だと考えています。
私立小学校の学費を払うつもりで
我が家も私立小学校の学校の学費を払うつもりがあるから受験したので「お教室代をかけずに」というのは食い合わない気がします。
確かに僕の仕事のお客様の中にも、塾に通わずに立派な私立にご子息を通わせていらっしゃる方がいますが、それはおそらく縁故枠の相当立派なご家庭の方です。我が家が真似するご家庭ではありません。
野球選手を目指すなら、幼稚園の頃からお金をかけて野球を習わせて、野球推薦で強豪校に入学して甲子園を目指すという当たり前の道のりがあります。
そのルートを通らずにプロ野球選手を目指すと言ったら
「そんなことはあり得ない」
とほとんどの人が言うでしょう。
それなのに受験に関しては
「一切塾に行かずに合格を目指そう」
と思ってしまう人がいるのは何故でしょうか?
もちろんそういう例が0だとは言いません。でも人と違う道を行って成功するのは大変なことです。
僕は塾に通ったことがないので、子どもの頃塾というものに通ってみたいと思っていました。
娘たちも学校で「ジャックに通っていた」とか「伸芽会に通っていた」と友達同士で話すそうです。我が家は普通の庶民の家なのでわざわざ普通とは違う道を進むメリットはありません。
後になるほど費用は高額に
僕も妻も受験は後になるほど費用は高額になると考えています。小学校受験よりも中学受験、中学受験よりも大学受験のほうがお金が掛かります。世間一般のイメージとは逆かもしれませんが、小学校受験が1番コスパが良いと思っています。受験が終わった今でもそう思っています。
何故なら中学受験と大学受験には、小学校受験にはない決定的なものがあるからです。それは「偏差値」です。
確かに大手塾の値段だけで比べると、中学受験よりも小学校受験の費用のほうが高額な場合が多いでしょう。
大体中学受験の大手塾の6年生の月謝は7万円前後です。土曜日の特訓なども入ってくるので、後半は均すと月10万円くらいになるでしょうか。ジャックの25万円と比べたら確かに少なく感じます。
ですが中学受験塾の特訓系はまとめて引き落とされます。夏期講習や冬期講習や正月特訓なども引き落とされるので、月によっては引き落としが30万円近くになることもあります。小学校受験と違うのは、予算に応じて取る講座を選べないことです。
まあ、講習が高額になるのは小学校受験も同じなので中学受験のほうがお金が掛からないように思いがちですが、それは大手塾のみで受験を完結した場合に限っての話です。
大手塾だけで充分だと思えるのは、大手塾にしか通わなくても最上位クラスに在籍している子の場合だけです。
もちろんSAPIXにしか通っていなくてもα1に在籍して開成や桜蔭や慶應にご縁をもらえる子はいるでしょう。ですがそれは全体の何%でしょうか?
実際に妻はSAPIXのαクラスに在籍している子を担当することもあります。個別指導には集団塾についていけない子が通うイメージがありますが、そんなことはありません。
個別指導の値段はピンキリで1教科2万円の塾もあるし、1教科で月に7万円もする塾もあります。
何故偏差値があると高額になるのか
では何故中学受験には偏差値があることで小学校受験と比べて受験費用が高額になるのでしょうか。
仮に目指している学校の四谷大塚の偏差値が60だった場合を考えてみて下さい。我が子の持ち偏差値が40〜50しかなかったら
「何故偏差値が上がらないのだろうか」
と考えます。上位クラスの子たちは皆個別の先生に見てもらっていると聞いたら
「個別指導の塾に通ってみようかしら」
と考えるのが当然の流れだと思います。
四谷大塚の偏差値40〜50はボリュームゾーンですから、ついていけない子ではありません。公立の小学校では「勉強ができる子」の部類でしょう。
偏差値というのは努力に対する対価ではありません。上位の子たちと同じ努力をしているだけでは偏差値は上がりません。
だから偏差値が上がらなくても「同じ位置を保っている」ということはものすごく努力している証拠だと妻は言っています。
ですが親からすればそうは思えないでしょう。
もっと偏差値を上げるために個別を週1から週2にしよう。算数だけではなく国語も取ろう。理科も社会も……。もっと良い個別に変えようと考えるかもしれません。
だから中学受験は課金ゲームと呼ばれるのでしょうね。上がらない偏差値を上げるためには課金するしかないと思うからです。
小学校受験にも同じことは言えるかもしれません。
ジャックだけでは幼稚舎に受からないから、個人の先生に見ていただこう。
ペーパーと体操だけでは足りないから絵画の講座も取ろう、生活習慣の講座も取ろうとなれば費用は青天井です。
ですが小学校受験の場合、親がそういう思考になっていくのは年長の1年間です。年中からそのように準備しているご家庭は相当早いです。
それにそのレベルで準備することが必要なのは幼稚舎や雙葉といったトップの数校だけです。
中学受験は4年生頃からその動きは始まっていますし、目指すところが最難関の学校ではなくても当たり前に大手+個別に通っています。
月額7万円の個別指導で国語と算数を週に1コマずつ受講すると月14万円です。コマ数を増やしたり科目を増やせばもっとです。
長期休みには個別指導もコマを増やすご家庭が多いです。
個別指導は一人では勉強できない低学年の内から通うほうが良いという話も聞きます。
ですが多くのご家庭が最後の追い込みで上がらない偏差値を上げるために、高学年になってから個別に通いだします。
ところが学年が上がるほど偏差値は上がりません。小3くらいからすでに集団+個別に通っている子がたくさんいます。
大学受験はなおさらです。何故なら予備校や個別塾の情報を子どもが仕入れてくるからです。受験のシステムも親の時代と大きく変わっていて、お父さんが話す成功体験談は何の役にも立ちません。複数の予備校+複数の個別指導というのも珍しくありません。
入試の出願料も後に行くほど高額になると思います。我が家は6校願書を出しました。
中学受験は1月校と2月校、更に午前午後、第二回第三回と軽く10以上は願書を出すでしょうし、大学受験はもっと多くなります。共通テスト利用、A日程B日程、後期試験などパターンが色々あり、学部がたくさんあるのです。
「塾無しで合格した」
「あまり費用が掛からなかった」
という情報がたくさんあります。
ですがそれは全体から見れば極少数の大成功例です。
もし多くの人がそうできるのなら、塾に個別にとたくさん費用を掛けた人は馬鹿なのでしょうか?
人は自分にとって都合の良い方の情報を信じようとしてしまいます。そしてその通りにならなかったら恨みを抱きます。
基本的に受験にはものすごくお金が掛かります。
費用が掛からなかったという少数の成功例を鵜呑みにするよりも、自分たちの手の届く範囲の幸せはどこなのかを見つけておくほうが大事だと思っています。
小学校受験は子どもがまだ幼い
小学校受験が他の受験と比べてコスパが良いと思えるのは、まだ子どもが幼いことも理由です。
親が話さなければ幼稚園の子どもに第一志望校と第二志望校の格の違いは分かりません。現に娘たちも自分たちの学校が1番立派な学校だと思っています。
妻の生徒にも小学校の頃は1番の学校に通っていると思っていたけど、中学に内部進学したら1番ではないことを知って驚いたという子がいました。
親の伝え方次第で進学した学校が第何志望でも子どもの自己肯定感を下げる心配はありません。
分かってしまうのは偏差値があるからです。中学受験からは子ども本人が全部分かっています。
特に僕が住んでいるような地域では私立小学校に通う子の割合が少なく、それだけでステータスです。
仮に受験が終わった当初は第一志望に行けなくて悔しい思いをしていても、実際に学校が始まれば親は良い気分になれます。
中学受験の場合は偏差値があるため、やはり上位の学校に行きたいという気持ちがより強まります。親にも見栄があるからです。だからこそ中学受験に掛ける金額はどんどん増えてしまうのかもしれません。
だから意外にも
「第一志望じゃないですが、子どもは最高に頑張ってくれたからじゅうぶんです」
と言う親御さんは少ないそうです。
やはり実際に学校が始まらないと「この学校で満足」だとは思えないようです。
「子どもは最高の頑張りを見せてくれたからこの学校で満足だ」と心から思えれば幸せに過ごせるのだと思います。
ない袖は振れない
ない袖は振れないので、我が家もお教室代には制限がありました。
でももっと掛けられていればもっと上の学校を目指せたのかもしれないと今でも思っています。
思うようにお金を掛けられなかった割には良い結果を得られたと思うから、今の学校にご縁を頂けて幸せだと思えます。
我が家の収入では港区や千代田区には住めません。
でも、住める範囲内で精一杯綺麗な家に住んでいるから幸せだと思えます。六本木や千鳥ヶ淵に住めないからと言って不幸だと思う人がいるでしょうか?
みんな自分の精一杯で生きていて、手が届く範囲内での幸せを求めて暮らしています。子どもの学校だって同じはずです。
僕が着地点が大事だと言うのはそういうことです。
青山学院初等部や立教小学校には芸能人の子が、幼稚舎や早実には政治家の子やプロスポーツ選手の子が実際に通っています。
そのような家庭と自分の家庭を比べて並び立てる自信は僕にはありません。
娘の学校も経営者のご家庭や一流のお仕事をされているご家庭ばかりです。そういうご家庭がご縁を頂いている中で、我が家を選んで頂けたことに感謝しかありません。
僕のような庶民は、お金持ちの子は高飛車で世間知らずだと言いたがります。
でも妻のお客様は皆さん大変お金持ちですが、未だかつて一人も高飛車で我儘な子がいたという話は聞いたことがありません。
芸能人やプロスポーツ選手の子どもは、お金はあっても頭が良くないに違いないと思いたいものです。
ですが以前妻が担当していたプロ野球選手のお子さんは、礼儀正しく頭も良く非の打ち所がないと話していました。
立派な親御さんほど
立派なお仕事をされている親御さんほど謙虚だと妻は言います。
妻のお客様には医師のご家庭が多いです。親御さんは数学が得意でしょう。でも妻が国語を見ている子は大体算数でも通っています。
僕も娘たちに自慢できるような立派な仕事をしていたら、働く背中を見せたいものです。立派な仕事をされている方々はブログなんて書いている暇もないでしょう。
特に僕のブログは本当なら人に言いたくない見栄や妬みの感情を書いています。娘には見られたくありません。仕事では満たせないものがあるからこのブログを書いていますし、少しでもブログが収入になればと思っています。
高収入の人ほど、子どもの教育費にお金をかけているのが現実です。
いくらでもお金を掛けられれば、それだけ受験する子どもにストレスを与えなくても済みます。
妻のお客様のことをよく書いていますが、僕のお客様も同じです。僕も妻もそういう人たちをたくさん見ているので、そういう方々と張り合っても惨めになるだけだと思っています。
だからこそ、自分たちができる精一杯の背伸びをして、それが幸せだと思えるのです。
次回は今回の続きで「塾の役割」について書くつもりです。
読んで下さってありがとうございました。
「ジャックの3年間をふりかえる。3年間の月謝や失敗談」
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