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「夏休みの宿題」
夏休みが終わって1週間が経ちました。学校が始まると、時間があっという間に過ぎます。
夏休みといえば「宿題」です!小学生の夏休みの風物詩です。娘たちの学校でも宿題がたくさん出ます。今年は「本の紹介文を書く」という素晴らしい宿題が出ました。その他にもワークブックや絵、更に日課として「走る」宿題も。ワークブックは漢字や計算の練習だけでなく、夏休み中に食べた野菜を書いたり、色んな職業を調べたりと、充実した内容になっていました。中でも僕が特に素晴らしいと思っているのは「研究の課題」です。
「夏休みの宿題も素晴らしい」
この研究課題は「自由研究」とは違います。娘たちの通っている学校は、毎年違うテーマを1年かけて調べるという授業があります。1学期に大枠の研究テーマを決め、それを分野毎に細分化し、グループ分けをします。夏休みの宿題で個別に研究したものを、2学期の最初に発表して、最終的にグループでまとめ上げ、3学期に発表会をするという流れです。この調べ学習が夏休みの宿題の目玉で、B4サイズのスケッチブックに紙芝居形式でまとめます。
「研究課題」
1、問題提起(起)
2、考察(承)
3、発展(転)
4、まとめ(結)
と、4Pにまとめて、裏面に原稿、表面には絵や写真などの資料という形に仕上げます。休み明けに、クラスのみんなの前で一人ずつ発表するので、発表の練習も必要です。この宿題は授業の一環です。6年生まで毎年あります。
娘たちの研究は去年も今年も僕が一緒にやりましたが、本当に素晴らしい宿題です。これからの人生で、自分で資料をまとめてプレゼンする機会はたくさんあるはずです。小学1年生からその練習をしているのですから、大人になったらどんな素晴らしいプレゼンをするようになるか楽しみです。
「お父さんのバックアップ」
この宿題、お父様方がけっこう本気になって取り組んでくるようです。9月1日に子どもたちは、かなり立派な研究資料を携えて登校します。娘たちがお友達の宿題の写真を、i-padで撮って見せてくれるのですが、どれも写真などをたくさん使っていて、かなりハイクオリティです!実際にその土地に行ったレポート等をまとめている子もいます。そりゃ基本的に教育熱心で、立派なお仕事をされているお父様たちですから、子どもの研究はプライドにかけて手伝いますよね……
僕はプレゼン資料なんて立派なものは作れません。僕の会社ではそういうものを作る機会は皆無です(パワーポイントは全く使えないし、Excelも微妙です)だから、立派なアドバイスはできません。それに、貧乏お父さんには調査旅行に連れて行ってあげる余裕もありません……。でも、娘たちと一緒に図書館に行って資料を探したり、表面の絵を一緒に描いたりと、僕なりに一生懸命手伝いました。我が家は我が家らしく、絵で勝負です。
「子どもの宿題を、親が楽しく手伝えます」
手伝っていると、僕自身にも新しい学びがあり、毎回楽しく取り組んでいます。
受験の時の願書にも書いたのですが、僕は「学校は子どもと一緒に親も成長する場」だと考えています。僕は学校の勉強というものに真面目に取り組まなかったので、自分の学歴のなさや、学の足りなさがコンプレックスです。だからこそ良い教育環境で、自分も「学び直し」をしたいと思い、小学校受験に臨みました。だから、娘と一緒に宿題の調べ学習をすることは、思いが成就したと言えます。今、絵をたくさん描いているのも、絵に興味を持ち、絵の仕事をしたいと言っている娘の影響です。
信頼を置ける素晴らしい学校に通っていて、なおかつ中学受験を一切考えなくても良い状況だからこそ、娘と一緒に夏休みの宿題を楽しんで取り組めるのだと思います。四谷大塚を辞めずに通っていたら、夏休みは夏期講習やらテストの勉強やらで、それどころではなかったはずです。
「他の学校でも」
同じような夏休みの研究課題は、他の私立小学校にもあるようです。知り合いのお嬢さんが通っていた私立小学校でも、1学期中に学校で調べたものを、夏休みに規模を広げて研究する宿題が出るという話を聞きました。もう10年近く前の話ですが……。
その知り合いも、
「娘の夏休みの宿題を一緒にやるのが楽しい」
と話していました。良い学校に子どもを通わせるということは、どうやら親の人生にも張りを与えてくれるようです。
「夏休みの過ごし方」
妻の仕事は、夏休みは繁忙期なので、まとまった休みは取れません。だから、我が家は夏休みの旅行には行けません。もっとも、僕たちは収入の大半を娘たちの教育費に使っているので、仮にまとまった休みがあったとしても、どこにも行けませんけど……。
代わりに夏休みには、お芝居を観たり、コンサートに行ったりしました。
僕はもちろん、妻も演劇や音楽が好きなので、娘たちと一緒に舞台を観に行く日を夢見て子育てをしてきました。
妻の妊娠が分かったとき、僕はまだ劇団員でした。僕の出る舞台を子どもに観せようなどと夫婦で話していたのですが、それは、子育てという現実の前にあっさりと消えてしまいました。だから次の目標は、「一緒に舞台を観に行くこと」だったのですが、一緒に観に行けるようになるまでが……長い道のりでした……。初めて娘たちを連れて劇団四季の「ライオンキング」を観に行き、カーテンコールで立ち上がって、夢中で拍手をしている娘を見た時はまさに感無量でした。隣を見ると、妻もどうやら感無量の様子。
「年長の夏休みは、ジャックの夏期講習やら何やらで大変だったなあ……。あれから何年も経たないのに、ずいぶん大人っぽくなったなあ……」
と、しみじみと思いました。
「夏期講習」
我が家のような庶民にとって、年長時のジャックの夏期講習代は、目玉が飛び出るような金額でしたが、それでも僕たちは講座の数を絞って受講していました。他のご家庭と比較すると、全然少なかったと思います。
妻の持っているデータによると、SAPIXの6年生の夏の引き落としは、なんと、僕たちが年長の夏にジャックに払った金額を超えてます。有名な9月の引き落としは30万。7、8、9月の3ヶ月を合わせると65万。うちは双子だから130万か……。ジャックと違って講座を選んで取るとかできませんからね。これにプラスして個別の塾にも行ってたりするのですから、案外小学校受験のほうがリーズナブルなんじゃ……。劇団四季の舞台が何回観られるんだろう……。
「私立に行っているからこそ」
今年の夏休みには劇団四季の「人間になりたがった猫」と演劇集団円の「河童の三平」、そしてN響の子ども向けのコンサートに行きました。
「人間になりたがった猫」はスワガードを瀧山久志さんが演じていました。上の娘は、「アラジン」で瀧山さん演じるジーニーを観てから、彼が大好きなので大喜びです。意外にも、下の娘は「河童の三平」の方を気に入ったようです。ああいう手作り感のある素朴なお芝居が好きなのかな?
来年も、そのまた来年も、夏休みにはたくさん舞台を観に行きたいと思います。5年生になっても6年生になっても、家族でお芝居を観に行ける環境にいられることに感謝です。小学校受験を途中で諦めていたら、家族で舞台を観に行くなんて、きっとまだまだ先でした。中学生にもなったら、誘っても一緒には行かないかもしれません。子どもが親と一緒にいることを喜ぶ時間は、意外と短いものです。少なくとも僕は、中学生以降は親と一緒に出かけたりしませんでした。
今しかない時間を楽しく過ごせるのは、やはり私立に行っているからです。
「将来の姿」
一貫教育をしている小学校は、どこの学校でも小学校のうちからキャリア教育のカリキュラムが組まれているようです。きっと、夏休みの研究の宿題も、将来仕事をして生きていくための、大事な糧になるのでしょう。12年かけて、じっくりと自分の将来を考えることができるのは、素晴らしいことだと思います。
二人の娘たちがどんな道を歩くのか分かりませんが、どっちかは舞台の仕事をしてくれたら嬉しいなあ。「女優」になりたいと言われると困るけど……。だって稼げないですからね……。制作とか、舞台美術とか、学芸員とか、ちゃんと仕事になる部門もありますから。
今回はこの辺で。読んでくださってありがとうございました。
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